【玉ノ井親方 視点】照ノ富士の最後まで諦めない心の強さ 全力士の手本になる

[ 2021年3月29日 05:30 ]

大相撲春場所千秋楽 ( 2021年3月28日    両国国技館 )

伊勢ケ浜審判部長(左)に優勝旗を手渡される照ノ富士(撮影・舛本 暖菜)
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 膝の大ケガなどで地獄を見てきた照ノ富士が、3度目の賜杯を手にした。不屈の闘志でどん底からはい上がってきたその努力と日頃の心構えは、全ての力士の手本となるものだ。

 先場所、平幕の大栄翔が優勝したように、今は上位の力士の力が拮抗(きっこう)している。横一線といってもいいだろう。そこから抜け出すには、照ノ富士のような最後まで諦めない心の強さが必要だ。

 前半戦で優勝争いをリードした高安は終盤に入って精神面の弱さが露呈した。自分に何が足りないのか、その答えを照ノ富士の相撲を見て学ぶことだ。技能賞を手にした若隆景も千秋楽は変化気味に立って勝った。そうした相撲を取っている限りは大きな飛躍は望めないだろう。安易に引いたりはたいたりせず、苦しんで苦しみ抜いて勝たなければ、本当の強さは身に付かないことを知ってほしい。(元大関・栃東)

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