鈴木健吾、日本新! 大迫超えの2時間4分56秒 最後の「びわ湖」で日本選手初4分台

[ 2021年3月1日 05:30 ]

スポニチ後援 びわ湖毎日マラソン ( 2021年2月28日    大津市・皇子山陸上競技場発着 )

日本新記録でフィニッシュする鈴木健吾?大津市の皇子山陸上競技場で2021年2月28日(代表撮影)
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 今大会を最後に滋賀での開催を終えるラストレースで日本人初の2時間4分台が誕生した。フルマラソン5度目の鈴木健吾(25=富士通)が2時間4分56秒の日本新記録で初優勝した。コロナ下で海外招待選手がいない中、36キロ付近の給水所でスパート。終盤も1キロ2分50秒前後のハイペースで走りきり、大迫傑(29=ナイキ)が20年東京マラソンでマークした2時間5分29秒を33秒も更新。24年パリ五輪の有力候補に名乗りを上げた。

 びわ湖から24年パリ五輪に向けて鈴木が大きなスタートを切った。当分破られることがないと思われていた大迫の記録を大幅に更新。日本マラソン界のトップに浮上したシンデレラボーイは「こんなタイムが出るとは思わなかった。正直自分が一番びっくりしている」と大記録に目を丸くした。

 東京五輪マラソン代表を決めるMGCで大迫らを終盤で突き放した3歳上の所属先の先輩、中村匠吾ばりのスパートで一気に勝負を決めた。ポイントは36キロ付近の給水所。3人に絞られた優勝争いの中で給水に失敗した。「少ししまったと思った」が、ここで「取り損ねたので、行くしかない。2人の顔色を見たら行けると思った。ここで決めようと」と意を決した。

 大迫が東京マラソンで35キロからの5キロが15分15秒だったのに対し、鈴木は14分39秒の圧巻のスパート。残り2・195キロの記録も鈴木が大迫を22秒上回る驚異的な末脚を発揮した。「そんなに速い感覚ではなかった。ここまで後半失速していたので克服できた」と胸を張った。

 今年の年明けから五輪代表の中村と鹿児島・徳之島合宿を行い、勝負どころの見極め方を盗んできた。7位だった一昨年のMGCや12位だった前回のびわ湖では自分から動いて30キロすぎに失速し、東京五輪には届かなかった。その反省から行き着いた先はスパートのタイミングだった。「中村さんみたいに一発で決められるタイミングで出よう」。先輩の走りを再現した先に栄光が待っていた。

 神奈川大時代に箱根駅伝2区区間賞を獲得した逸材は、富士通入社後は股関節や膝の故障が続き満足な練習ができなかった。過去4度のマラソンで2時間10分を切ったことはない。しかし、故障期間に取り組んだフィジカル強化で強じんな肉体を手にした昨季以降、ようやく実力が開花。福嶋正監督も「トラックよりもマラソンの方が鈴木の良さは出る。パリ五輪が最大の目標になる」と照準を合わせている。鈴木は「まだまだ力はないが世界選手権、パリ五輪で日の丸を付けて戦えるように少しずつ力を付けたい」と静かな闘志を燃やしていた。

 ◆鈴木 健吾(すずき・けんご)1995年(平7)6月11日生まれ、愛媛県宇和島市出身の25歳。小学6年の時に父親の勧めで陸上を始め、宇和島東高から神奈川大に進学。神奈川大3年の17年に東京箱根間往復大学駅伝2区で区間賞。これまでのマラソン自己ベストは18年東京でマークした2時間10分21秒。好きな食べ物は焼き肉と寿司。1メートル63、48キロ。

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