パナソニック開幕連勝 “ファンタジスタ”山沢拓也が地元で2トライの輝き

[ 2021年3月1日 05:30 ]

ラグビートップリーグ 第2節最終日   パナソニック60ー12日野 ( 2021年2月28日    熊谷 )

<パナソニック・日野>ゴールラインに迫るパナソニック・山沢(右)(撮影・吉田 剛)
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 5試合が行われ、パナソニックは60―12で日野を下して開幕2連勝とした。今季初出場初先発したSO山沢拓也(26)が2トライを奪ってマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)を獲得。前半は司令塔として主導権を握れなかったゲーム運びを反省しつつ、後半は個人技を含めて本領を発揮。将来のジャパンの10番と言われて久しい大器が、初のW杯を目指す。

  ファンタジスタぶりなら、19年W杯日本代表の田村優や同僚の松田力也を上回るだろう。後半4分、前に詰めてきた防御ライン裏へショートキックを放ち、CTBライリー、WTB竹山と渡るトライを演出。10分後にはランとキックの個人技で自らトライを奪うと、その2分後にも正確なキックパスを絡めて55メートルを走りきる見事なトライ。山沢が地元・熊谷で輝きを放った。

 「後半はシンプルなプレーを心掛けた。相手は疲れもあり、前半ほどのプレッシャーもなく、自分たちのプレーがしやすくなった」

 先発起用したロビー・ディーンズ監督が「山沢は“ヤマサワ”というプレーをしてくれた。彼は誰にもまねできないプレーをしてくれる」と称えた後半。一方で10点差しかつけられなかった前半を、本人は「前半のマネジメントでは、国代表の試合出場は難しい。チームに勢いを出せる選手にならないといけない」と猛省した。

 司令塔として第一に求められることがゲームコントロール。接点で食い込まれ、要所で反則が出る流れを断ち切れなかったことで、MOMに選ばれても喜びきれなかった。高3だった12年、当時のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチに見いだされ、代表初招集されてから9年。度重なる膝の故障とともに、出世を阻んできた弱点克服へ「経験、知識が他の選手に比べて足りない。いろんな状況を経験し、レベルアップしたい」と話した。

 バレットやフォーリーらワールドクラスのSOがそろう今季のトップリーグ。その一人に名を連ねるためにも、立ち止まっている時間はない。

 ◆山沢 拓也(やまさわ・たくや)1994年(平6)9月21日生まれ、埼玉県熊谷市出身の26歳。中学からサッカーと掛け持ちでラグビーを始め、深谷高から専念して3年連続で花園に出場。高3だった12年7月に日本代表合宿に初招集。筑波大4年だった16年からパナソニックでプレー。日本代表通算3キャップ。ポジションはSO。1メートル76、84キロ。明大4年の弟・京平が4月にパナソニック入り予定。
 

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2021年3月1日のニュース