最後のトップリーグは一流助っ人づくし なぜ来日?浮かぶ4キーワード

[ 2021年2月20日 09:00 ]

オーストラリア代表主将のマイケル・フーパー
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 ラグビー・トップリーグが20日の神戸製鋼―NEC(花園ラグビー場)など5試合で開幕する。22年から1部12チームの新リーグに移行するため、16チームで争う現行制度では最後のシーズン。ラストを飾るのにふさわしく、今季はかつてないほど、ビッグネームが海外から参戦する。大物が集まった背景を探った。

 他国代表歴がある外国選手で、15のポジションが埋まりそうだ。それほど、今季トップリーグの助っ人はバラエティーに富んでいる。(1)現役バリバリの超一流、(2)日本になじみが薄い欧州勢、(3)19年W杯で代表を引退したスターが新加入した背景は「サバティカル」「サラリーキャップ」「コロナ禍」「W杯効果」のキーワードが浮かび上がる。

 大学教員の長期休暇などの意味がある「サバティカル」は、ラグビー界では海外で短期間プレーすることを指す。オールブラックスになるためには、ニュージーランド協会と契約し、自国でプレーする条件が課せられる。ところが、サントリーSOバレットのような超一流は、リフレッシュや、他国で金銭を稼ぐご褒美的な意味合いで、一定期間の国外参戦が認められている。

 オーストラリア代表主将、トヨタ自動車のフランカー・フーパーも「サバティカル」。ただし、こちらは「コロナ禍」が直撃した。海外報道によれば、協会は財政難で報酬の5年600万豪ドル(約5億円)を支払えないため、海外行きを1シーズン認めたようだ。

 「サラリーキャップ」は、年俸総額の上限を定めたルール。英国プレミアシップの名門サラセンズはこれに違反し、次シーズンは2部。大幅な賃金カットも余儀なくされ、主力だったパナソニックのロック・クルーズ、NECのSOグッドが海を渡ることになった。

 「コロナ禍」で世界中にコストカットの嵐が吹いている。ところが、大企業傘下の日本は、“給与水準”が大崩れしていない。もちろん、好待遇だけで大物は来ない。19年W杯で代表を引退した神鋼のFBスミス、NTTコミュニケーションズのSHレイドローらまだ元気な一流だけでなく、ほぼ全員が「W杯効果」で日本に好印象を抱いてやってきた。

 海外のスーパースターを国内でこれだけ見られるのが、今季のトップリーグの特徴。見逃してはいけない。

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