橋本聖子氏、5分48秒の新会長就任あいさつ全文

[ 2021年2月18日 16:38 ]

東京五輪・パラリンピック組織委の理事会で新会長として承認され、笑顔であいさつする橋本聖子氏(代表撮影)
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日午後4時から理事会を開き、女性を巡る発言の責任を取って会長を辞任した森喜朗氏の後任として、橋本聖子氏を新会長に選出した。

 【理事会内での橋本氏のあいさつ全文】

 あらためまして、こんにちは。このたび東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長に選任をされました橋本聖子でございます。組織委員会の会長という大変、大きな重責を担わせていただくことになりました。身の引き締まる思いであります。さきほど、菅総理に対しまして、官邸に行き、国務大臣の辞職願いを出させて頂きました。今まで国務大臣の立場で組織委員会のみなさまに支えて頂きましたことにあらためて感謝を申し上げます。このたびは、大臣を辞職するというのは私にとりましても大変、大きな決意でありましたけれども、その思いをしっかりと胸に抱きながら、この東京大会の成功に向けて尽力をしたい、その思い一心で、きょうはこの場に立たせていただいております。

 5カ月後になりました東京大会は、安心安全の開催をしなければいけないと思っておりますし、何よりもコロナ対策が最重要課題であります。これまでオリンピック・パラリンピック担当大臣という立場で、東京都、組織委員会、そしてIOCなど様々な団体のみなさま方をサポートする立場で、私自身、力を尽くさせていただいておりましたけれども、その立場から、今度は今まで育てて頂きましたスポーツ界、そして組織委員会のみなさまの元にまた戻ってきた私といたしましては、国とそして東京都とともに、さらに連携を加速して、そして国民のみなさん、海外のみなさま方にも、これであれば安心安全の東京大会と思ってもらえるような体制をしっかりと整えていきたいと思っております。

 また、このたびの私自身が会長をお引き受けさせていただくという背景には男女平等ということの問題があったと思います。そのことにつきましては組織委員会の評議員会、理事会合同懇談会で理事会の女性の比率の向上に取り組むこと、そして平等を推進するチームを立ち上げることが決定したと承知しておりますけれども、これはまずスピード感をもってやらないといけないと思っております。私といたしましては今月内にその体制を打ち出していく、結果を出していくことが重要であると思っておりますので、その点につきましてもご理解をいただきたいと思います。

 また、後任に大臣がなられるということで。丸川大臣の名前がいえ、さきほど、まだでありますけれども、内定という風になっておりました。内定ということでありますけれども、まだ決まったわけではありませんが、これからしっかり連携を密にしながら国内外のみなさまに信頼される組織委員会にしていかなければと思っております。

 また、東京大会の大きなビジョンであります、多様性と調和でありますけれども、組織委員会全員でまずはしっかりと確認をさせていただきたいと思います。性別、障がいの有無、人種、性的指向などにかかわらず、あらゆる人を認め合い、共生できる社会を築いていくきっかけとする、そのレガシーを作りあげていきたいと思っております。

 この東京大会というのは、史上初めて経験する延期ということであります。今まで誰もが、歴史的なオリンピック・パラリンピック大会において、一度も延期ということだけは誰も経験したことがないことであります。私はその経験をこれからどのように活かしていくのか、多様性ということも含めながら新たなオリンピック・パラリンピックの改革案というものも引き続き、この組織委員会の中でワーキングチーム等を作って、IOCやIPCに対して、政府に対しても、組織委員会としての新たな大会に向けてのビジョンを提案するという力をつけていかなければ、東京大会の持つ意味というもの使命というものがないんではないかと思っております。そのためにも今まで経験をいかしながら、組織委員会の会長という立場で全力で東京大会の成功に向けて邁進していきます。そのことをお誓い申し上げまして、就任のごあいさつにかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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