日本一曲がらない男 稲森佑貴 ドライバーレッスン【第4回 曲げないためのフィニッシュ】

[ 2021年1月29日 12:00 ]

フィニッシュの解説をする稲森佑貴プロ(右)
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 第4回のテーマは、曲げないためのフィニッシュについてです。稲森佑貴プロによれば、中途半端にコンパクトなスイングをするよりも、フィニッシュまでしっかりと振り切ったほうが曲がらないと言います。ところが、フィニッシュまで振り切れないアベレージゴルファーは少なくありません。ぜひ最後まで振り切るスイングを身につけましょう。進行役を日大ゴルフ部OGの萩原菜乃花さんが務めます。

 萩原 ツアープロの皆さんは、フィニッシュがビシッと決まっています。何か秘訣があるのでしょうか?

 稲森 インパクト後、左足に体重が乗るようにスムーズな体重移動を行い、バランス良く立っているからだと思います。逆に、アベレージゴルファーの多くは、ダウンスイングで力んでしまい、右足に体重が残ったままフィニッシュを迎えるため、バランス良く立つことができません。

 萩原 きちんとフィニッシュを取れない場合、どのような球が出るのでしょう?

 稲森 ボールがつかまらないので、右に曲がる球が多く出ます。仮に真っ直ぐ飛んだとしても、風の影響を受けるため、アゲンストだと飛距離も出ません。

 萩原 フィニッシュまで振り切るにはどうしたらいいですか?

 稲森 まずは体重移動ですね。トップ・オブ・スイングからダウンスイングへ切り返すときに体重を左足に乗せていきますが、フォロースルーからフィニッシュにかけて全体重を左足に乗せていきます。極端な話、フィニッシュでは左足1本で立てるぐらいが理想です。右足は爪先だけが地面に触れている感じです。

 萩原 右足に体重が残る人が、左足に全体重を移動するコツはありますか?

 稲森 打ち終えた後に目標に向って歩いてみましょう。右足を一歩前に踏み出すイメージです。ただし、そのことを考えるあまり、インパクト前に右足を踏み出しては意味がありません。あくまでも打ち終えた後に右足を踏み出します。練習場で行う場合、危険が伴わなければ、そのまま2、3歩前に進んでみましょう。

 萩原 確かに右足に体重が残っていると、前には進めませんね。

 稲森 アベレージゴルファーの多くは、打ち終えた後に左足を目標の反対側に引く形で下げてしまいがちです。結果的に胸が目標を向きますが、正しい形とは言えません。ダウンスイングからフォロースルーにかけて左足への体重移動ができると、ヘッドスピードが自然とアップします。ボールに対してパワーを十分に伝えることができるので飛距離アップにもつながります。

 萩原 アゲンストにも負けない球になりますね。

 稲森 その通りです。しかも、フィニッシュまで振り切ることができれば、クラブヘッドがスイングプレーンに沿って動くので、自然に正しいクラブフェースの開閉を行います。フェースがスクエアな形でインパクトを迎えられるため、方向性もアップするわけです。振り切った方が曲がらない理由はここにあると言えるでしょう。ちなみに、ツアープロがインパクト後にクラブから手を離して、曲がりを抑えるのはかなりの高等技術です。アベレージゴルファーは最後まで両手で握っておくことをお勧めします。

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか) 1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の24歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。

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