体操男子・内村 コロナで「リンガーハット」がスポンサーから撤退 業績悪化で五輪前に苦渋の決断

[ 2021年1月13日 05:30 ]

リンガーハットとの契約が終了した内村
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 新型コロナウイルスの経済的影響がキングを直撃した。体操男子の内村航平(32)と所属契約を結んでいた外食大手の「リンガーハット」は12日、20年12月31日で契約継続を断念したと発表。同社は「コロナ禍における想定をはるかに上回る業績悪化」を理由に挙げ、「苦渋の決断」としている。本来は21年12月末までの契約だった。

 長崎出身の内村はプロ転向後の17年3月、長崎創業のリンガーハットと契約。サポートを受けて競技生活を送ってきたが、同社が昨年10月に発表した20年3~8月期の連結決算では、新型コロナウイルスの影響で69億8400万円の赤字。内村は種目別の鉄棒で東京五輪を目指しているが、巨額の赤字が契約継続を許さなかった。

 内村はフェイスブックの公式アカウントで「2021年からはリンガーハットの所属ではなくなります」とし、「リンガーハットさんには、プロ転向してから4年間サポートしていただき、本当に感謝しています」とコメント。五輪代表国内選考会となる4月の全日本選手権(高崎アリーナ)に間に合うよう、新たな所属先を模索するという。

 コロナの感染拡大は止まらず、首都圏に緊急事態宣言が再発令された。企業経営に追い打ちをかけ東京五輪開催への逆風も増している。個人総合で五輪連覇の内村ですら、本来の契約期間を全うできないという厳しい現実は、他のアスリートの契約にも影響を与える可能性が出てきた。

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2021年1月13日のニュース