試合2日前に異例の順位決定方法“変更” 関東ラグビー協会

[ 2020年12月3日 19:09 ]

 関東ラグビー協会は3日、今週末に最終節を迎える関東大学対抗戦Aグループおよび同リーグ戦1部の順位決定方法について、追加事項を加えると発表した。シーズン終盤に新たな事項が加わるのは、極めて異例。

 追加されたのは「(新型コロナウイルス感染の影響による)不戦試合が発生し、3校以上の勝ち点が並んだ場合・勝ち点が並んだチーム間の試合を除いた、残りの試合における総得失点差」との事項。大学委員会での協議、理事会での承認を経て、正式に決定した。

 今回、追加事項が加わる要因となったのが、東海大の最終戦(対日大)出場辞退だ。東海大が不戦敗、日大が不戦勝で勝ち点24となり、流通経大が5日の大東大戦(秩父宮)に勝つと、3校が勝ち点24で並ぶケースが発生する。今年度の規程では「3校以上勝ち点が並んだ場合・(1)当事校間の勝ち点の合計(2)その過程において、当事校の内、2校の勝ち点が並んだ場合は、前項1(当事校の直接対決)によって決定する(3)総得失点差」となっており、この場合は(3)で順位を決定するはずだった。

 ところが東海大―日大戦は実際には開催されていないため、得失点は両校とも0。追加事項がないまま流通経大が勝った場合、すでに総得失点で東海大を下回っている日大には優勝の可能性がなく、極めて不条理な事態が発生する可能性があった。

 また、流通経大が引き分け以下の場合は東海大と日大の優勝争いとなるが、関東協会は2日時点で「実際には対戦していないので、『当事校の直接対決』は成立していない」と説明。この場合もすでに総得失点で上回る東海大が優勝となるが、この日になって「不戦勝・不戦敗は当該対戦となる」と解釈を変更。流通経大が引き分け以下の場合は、日大の優勝となることになった。

 今年度はシーズン開幕前の申し合わせ事項として「新型コロナウイルス感染症の影響により、社会情勢が大きく変化、総当たり戦、トーナメント方式、入替戦が開催出来ない場合、また協議が必要な事象があった場合、チーム・関東ラグビーフットボール協会大学委員会を経て理事会にて協議、判断する」と明記している。東海大を襲ったコロナ禍を受けての追加事項となったが、試合2日前の変更というドタバタ劇となった。

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2020年12月3日のニュース