体格も記録も伸び盛り 玉井 14歳0カ月“専門外”板飛び込みでも最年少V

[ 2020年9月27日 05:30 ]

飛び込み日本選手権第2日 ( 2020年9月26日    新潟ダイエープロビスフェニックスプール )

4回目の演技に臨む玉井
Photo By 代表撮影

 男子板飛び込み決勝で、玉井陸斗(14=JSS宝塚)が439・35点で頂点に立った。板飛び込みで14歳0カ月での優勝は男女通じて史上最年少記録。昨年の日本選手権では本命種目の高飛び込みで最年少Vを飾っており、2つ目の記録ホルダーになった。女子高飛び込み決勝では、東京五輪代表に内定している荒井祭里(19=JSS宝塚)が343・60点で4連覇を達成した。

 11日に14歳の誕生日を迎えたばかりの玉井が、コロナ禍前よりも低くなった声を弾ませた。2位に40点以上の差をつける圧勝。「試合前は緊張や不安があったが、試合中はリラックスして楽しめた。最年少はさっき知りましたが、また新しい記録がつくれてうれしい」と喜んだ。板飛び込みでは95年に寺内健(40=ミキハウス)の記録した14歳11カ月を更新する男女を通じて最年少優勝。「声変わりした?」の問いには「はい。よく言われます」と即答した。

 8月に地方の大会などに出場したが、全国規模の舞台は2月の国際大会派遣選手選考会以来。入水が乱れた3本目の205B(後方2回転半えび型)以外は70点以上を並べる安定感を見せた。シニアデビュー戦で優勝した昨年4月の日本室内選手権から身長は9センチ、体重は10キロ増。1メートル52、46キロとなった。競技特性として体の成長が回転力低下につながる傾向もあるが、下半身を鍛えることで回転軸のぶれない体づくりに成功。「1年前とあまり変わらない。苦労はない」と言い切った。

 東京五輪の延期により、日本男子の史上最年少出場の夢はついえた。「最年少を狙っていたので、今年五輪をやりたかった」と本音をのぞかせた上で「1年延期で演技は安定する。悪いことじゃない」と前を向いた。来年2月のW杯東京大会で五輪出場権獲得を目指す高飛び込みが本命種目。板飛び込みでの東京五輪出場の可能性は消滅しており、24年パリ五輪での2種目出場を思い描く。きょう27日は連覇の懸かる高飛び込みに出場予定。W杯に弾みをつけるため「自分らしい演技で優勝したい」と結果と内容の両立を目指す。

 ▽飛び込み東京五輪への道 出場枠は個人種目2、シンクロ種目1。男子は板飛び込みの寺内、シンクロ板飛び込みの寺内、坂井組、女子は高飛び込みの荒井、板飛び込みの三上の出場が既に内定。残る枠は五輪最終選考会を兼ねたW杯東京大会(来年2月開催予定)で争う。国際大会派遣選考会を勝ち抜いた男子高飛び込みの玉井らの出場が決定済みで個人種目は準決勝進出ラインの18位以内で五輪内定。開催国枠のあるシンクロは競技力が著しく見劣りしなければ内定の見通し。

 ◆玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年(平18)9月11日生まれ、兵庫県宝塚市出身の14歳。小学1年から飛び込みを始める。シニアデビューとなった19年4月の日本室内選手権の高飛び込みで優勝。同9月の日本選手権も制した。JSS宝塚所属。好きな食べ物は牛タン。1メートル52、46キロ。

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