藤田寛之のLet’s Begin【第2回 グリップ編(2)】

[ 2020年7月10日 12:00 ]

ミス日本ミススポーツの田中絵梨果さん(左)と藤田寛之プロ
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 元賞金王が初心者をレッスンする新連載、アベレージゴルファーにも“気付き”の参考になると好評です。今回も引き続きグリップ編。違和感なくクラブを握ることが、正しいスイングにつながるという藤田寛之先生の説明にミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんもうなずきます。ティーチングプロのジミー常住氏が進行役を務めます。今一つボールが上手く当たらないという人は、もう一度自分のグリップをチェックしてみましょう。

 常住 私がアベレージゴルファーから受ける質問の一つに、クラブをどの部分で握ればいいのかというのがあります。藤田プロのお勧めを紹介して下さい。

 藤田 基本的には、手のひらにクラブを乗せて握るパームグリップと、指のつけ根で握るフィンガーグリップに分かれます。これは手の大きさとか、個人の特徴もあるので、どちらが正解というわけではありません。ちなみに、私はフィンガータイプです。田中さんはどちらでしょうか?

 田中 私もフィンガータイプです。パームで握ると指が余ってしまいます。

 藤田 なるほど。自分に合った握り方を選択したのはいいですね。おそらく、田中さんはフィンガーで握ったほうが力も入りやすいのでしょう。

 常住 藤田プロ、グリップエンドをどれぐらい余らせたらいいのかという質問もありますが?

 藤田 今平周吾選手のように、グリップエンドをけっこう余らせる選手がいますからね。ひょっとしたら自分も余らせたほうが、いいショットを打てるのではないかと考えるのでしょう。私はグリップエンドを余らせないタイプです。これも好き好きだと思いますが、グリップエンドいっぱいで握ると、遠心力が大きく働くため、飛距離アップには有効です。ただし、その分左右に曲がりやすいことも頭の中に入れるべきでしょう。

 田中 私も最初はグリップエンドいっぱいで握っていたんですけど、コントロール不能になってしまい、あまりにもクラブヘッドがボールに当たらないので、短く握るようにしました。

 藤田 それは賢明な判断でしたね。グリップエンドを余らせたほうが、ミート率やショットの正確性が上がりますから。ただし、多少は飛距離が落ちることを覚悟しましょう。

 田中 私はボールをヒットすることに慣れてくるまでは短めに握ろうかなと思います。

 藤田 そうですね。どちらがいいのか、慣れの部分もありますからね。田中さんの場合、初心者なので、まずはクラブを握ることに慣れるのが先決です。自宅で暇な時間を見つけて、クラブを握り、しっくりとくる長さを探すことです。それが決まったら、練習場で実際にボールを打ってみましょう。あれっ、家では短めに握ったほうがしっくりきたのに、やっぱり長めに持ったほうがいいなとか、フィンガーよりもパームのほうがいいなとか変わることがあります。自分との会話を繰り返しながら、最もフィットするグリップを探しましょう。

 常住 フィンガーからパームに変えると違和感がありませんか?

 藤田 あると思います。でも、そういう試行錯誤を行うことが、最終的には上達につながります。違和感だけで片付けてほしくないですね。何事も我慢が大切です。
 
 <ミス日本ミススポーツ今週の一言>
 「最初からフィンガーで握っていたのは正解でした。グリップエンドを少しだけ余らせるようにしたいと思います」

 (取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。
 
 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の22歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

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