渋野 「ねじねじドリル」で“マキロイ流”スイング改造

[ 2020年6月25日 05:30 ]

20年しぶこの進化 心・技・体

練習日にティーショットを放つ渋野(GettyImages/JLPGA提供) 
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 「謎」と形容した激動の2019年を終えた渋野日向子(21=サントリー)は、オフを前にコーチの青木翔氏(37)にこう告げた。「米国で戦うことを前提にした、覚悟の期間にしたいです」。目標とする米ツアー参戦への決意。厳しいコースセッティングに対応するため、ロブショットなどアプローチのバリエーションを増やす練習を繰り返した。だが、想定外のコロナ禍で計画は変更を余儀なくされた。

 開幕が大幅に遅れることが確定的となった3月末。青木氏は米ツアーを戦いながらの来季に取り組もうと考えていたスイング改造に、この空白期間を利用して着手することを決めた。理想に掲げたのは世界ランキング1位のロリー・マキロイ(31)だ。身長1メートル75と小柄ながら、昨季の1Wの平均飛距離は313・5ヤードで米男子ツアー2位。青木氏がマキロイのスイング動画を見せ「これでいこう」と奮起を促すと、渋野は「無理じゃ~」と岡山弁で返す。この師弟らしいやりとりから挑戦が始まった。

 スタンス幅を狭くし、始動時の右への体重移動を極力減らす。スイングの再現性を高めるのが狙い。そこで青木氏が斎藤大介トレーナー(34)と編み出した練習法が「ねじねじドリル」だった。ゴムチューブを腰に巻き、左サイドに強く引っ張られながらスイングを繰り返す。このドリルによって、球を遠くに飛ばす捻転力が増した。

 青木氏は言う。「米ツアーに向けて、全てを変化させている」。海外メジャーを制し、日米で5勝を挙げても変化を恐れぬ姿勢。それが、進化を生む。新たな渋野の戦いが、幕を開ける。 (特別取材班)
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