環境激変も“変わらない”渋野日向子 始まりの地で新シーズン開幕

[ 2020年6月25日 09:30 ]

19年のアース・モンダミンカップは4位で全英切符を確実にした渋野
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 1年前に、想像していた人がいただろうか。ほかならぬ渋野日向子(21=サントリー)自身も、考えていなかった。日本人史上2人目、しかも、42年ぶりの快挙となる海外メジャー制覇。今季初戦となるアース・モンダミン・カップの会場に入った21歳は、実感を込めてつぶやいた。

 「変わりましたよね~、変わりすぎですよ」

 世界への扉を開くきっかけとなったのが、アース・モンダミン・カップだった。1年前の6月30日。その日は選手たちが口々に「台風みたい」と形容し、最大瞬間風速20・7メートルを記録する荒れ模様の天気となる。午前10時に、6位から最終ラウンドをスタート。賞金ランク5位以上に付与される全英切符を手にするには、今大会で7位以上に入ることが渋野にとっての最低条件だった。イーブンパーの72と踏ん張り、4位でホールアウト。大会前の賞金ランク8位から同3位に浮上し、滑り込みで初の海外メジャー出場を決めた場所だ。
 
 1年前の取材ノートをめくると、初めて挑戦する世界最高峰ツアーへの憧れの言葉が記されている。

 「世界トップレベルの選手がたくさん来る。勉強して、これからに生かせたら」 「イギリスってどれくらいかかるんですか?13時間も座りっぱなし!?ジェット機欲しいな(笑)」 「海外志向?全然ないです。レベルを上げて、海外にも行ってみたいと思うかもしれないですけど。今の状態ではないですね」 「世界を、勉強してきます!」

 そんな話しをしていたわずか1か月後に世界を驚かせ、“スマイルシンデレラ”と称されるメジャーチャンピオンになったのだった。

 渋野を育てた青木翔コーチ(37)は、この1年の環境の変化を冷静に分析する。「確かに去年の開幕する時とはいろいろ違うと思う。でも、根本的なところは変わってない。身近にいる人は変わっていないからね」。取材者として見ても、1年前と渋野自身は何ら変わらない。肩肘張らず、ウィットに富んだ言葉で思いを口にする。6月25日の開幕を前にした取材でもそう。全英覇者として迎えるシーズンへの重圧について問われると、「下手なこと…してもいいじゃんって思います」と笑顔で答えた。

 変わったことがあるとすれば、ゴルファーとして目指す最終目的地。米ツアー参戦、そして海外5大メジャーで優勝する“キャリアグランドスラム”をゴールに定めた。渋野は「この試合から2020年が始まる」と言った。シンデレラストーリーの始まりの地で、プロ本格参戦2年目の新シーズンが幕を開けた。大きな目標に向かい、歩みを進める。(記者コラム・中村 文香)

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