しぶこ育てた名コーチ・青木翔のらくらく上達講座(11)

[ 2020年3月20日 12:00 ]

ロングパットの距離感をつかむ練習法を解説する青木翔コーチ
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 渋野日向子のスイングコーチを務める青木翔氏の特別レッスン。第11回のテーマは、パッティングの距離感です。どんなに長い距離のパットでも、見当違いのところにボールを打ち出す人は少ないと思います。つまり、縦の距離感さえ合えば、3パットは激減するはずです。そこで今回はロングパットの距離感をつかむ練習法を紹介します。地道な努力こそ、パット上達の秘訣です。

 皆さんは何メートルの距離から3パットすると悔しいですか?5メートルと答えた人は、単に欲深いだけかもしれません。1パットでカップに沈める意識を捨て、確実に2パットで入れることを心がけましょう。スコアメークを考えるなら、やはり7~10メートルといったロングパットでの3パットを避けるべきです。この距離で2パット目が1メートル以上残る人は、方向性よりも距離感を第一に考えて下さい。そのためにお勧めなのが、次の練習です。

 まず、ボールを2、3個用意し練習グリーンへ行きます。できるだけ平らなラインを探し、カップから10メートルほど離れたら、ボールをカップに向かって転がしてみましょう。ボールがカップから半径1メートル以内で止まるまで続けます。ここでポイントになるのが、ボールの転がし方です。

 実は、ロングパットの距離感が合わない人に共通するポイントがあります。それは、立った姿勢から下手投げでボールを転がそうとすることです。

 この投げ方だと、ボールが手から離れる位置が高くなりますよね?言ってみれば、10メートルの距離を最初にキャリーさせてから転がす感じです。これではパッティングというよりもアプローチに近くなります。

 実は、渋野日向子選手も、最初は立った姿勢からボールを転がそうとしました。正解はしゃがんだ姿勢からボールを転がします。

 パッティングと同じように、ボールが10メートルをしっかり転がるようにするのがポイントです。グリーンの状態にもよりますが、ボールが10メートルの距離を転がるスピードを実感しましょう。その感覚を身につけたら、第2段階です。今度は、パターを右手1本で持ち、いつもと同じ姿勢でアドレスしたら、そのまま右手1本でストロークしてみましょう。

 ポイントは右手でボールを転がしたときのように右腕を動かすことです。この打ち方で距離が合ってきたなら、今度は両手でパターを持ってストロークします。

 もちろん、今までの感覚をそのまま生かします。どの程度のスピードでボールを転がせばいいか、力加減が分かれば、距離は自然と合ってきます。それが距離感を磨くということです。

 距離感とは目標までの距離を把握する感覚です。だからこそ、私は皆さんに勘を磨いてほしいと思います。この距離ならこれくらいのストロークで届くだろうという勘が鋭くなれば、自然と距離感は磨かれます。

 練習では打ち方など余計なことを考えずに感性を生かすストロークを心がけて下さい。カーペットの上でもできると思うので、常に勘を磨く練習を行いましょう。(取材協力=兵庫・パインレークゴルフクラブ)

 ◆青木 翔(あおき・しょう) 1983年(昭58)3月28日生まれ、福岡県出身の36歳。福岡大卒。11年からジュニアの指導を行い、12年に「AOKI SHO GOLF ACADEMY」を設立。USGTF公認ティーチングプロ資格保持。ジュニアやプロ育成に注力し、18年から渋野日向子とコーチ契約を結ぶ。家族は夫人と長男。1メートル81、77キロ。

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2020年3月20日のニュース