東京五輪聖火、日本に到着 「復興の火」被災地巡回へ

[ 2020年3月20日 14:24 ]

 東京五輪の聖火が20日、特別輸送機「TOKYO2020号」でギリシャから空輸され、宮城県東松島市の航空自衛隊松島基地に到着した。聖火はこの後、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県を「復興の火」として巡回、聖火リレーは26日に福島県でスタートする。

 基地では、大会組織委員会の森喜朗会長や日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長らが出席し「到着式」が開かれた。東松島市では20日、暴風警報が発令された。強風の影響で、橋本聖子五輪相ら一部出席者の会場入りが遅れた。

 到着式は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大幅に規模を縮小。地元小学生約200人の参加を取りやめるなど、出席者を絞り込んだ。

 輸送機に搭乗する組織委関係者が聖火のともったランタンを機外に運び出し、共に五輪3連覇を達成した柔道男子の野村忠宏さんとレスリング女子の吉田沙保里さんに受け渡した。

 その後、野村さんと吉田さんが聖火皿に点火した。聖火到着を受け、空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、カラースモークを出しながら基地上空を展示飛行し、五輪マークを描いた。総勢約40人の音楽隊も、1964年の東京五輪開会式の入場行進曲「オリンピック・マーチ」などを演奏し、会場を盛り上げた。

 森会長は「地元の人と共に出迎えたかったが、安全第一に苦渋の決断をした。聖火リレーで全国を回り、多くの人の希望の道を照らし出すことを望む」とあいさつした。

 聖火は到着式後、宮城県石巻市の旧市街地に整備が進む「石巻南浜津波復興祈念公園」に運ばれ、一般公開される。(共同)

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2020年3月20日のニュース