IOCバッハ会長 各国選手代表220人と電話会議も…五輪開催については明言せず

[ 2020年3月20日 05:30 ]

IOC理事会後に記者会見するバッハ会長
Photo By 共同

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は18日、新型コロナウイルス感染拡大で東京五輪に向けた各競技の予選中止が相次いでいる事態を受けて、各国・地域の選手代表220人と約2時間の電話会議で意見交換して「連帯」を呼び掛け、7月24日開幕の大会開催へ理解を求めた。

 日本オリンピック委員会(JOC)アスリート委員で12年ロンドン五輪フェンシング男子フルーレ団体銀メダルの千田健太氏も出席。質疑は約1時間20分で40以上の質問が相次ぎ、JOCは日本入国後の感染症対策や選手選考の公平性について選手側から不安の声も出たことを明かした。バッハ会長は「東京への道を検討することは建設的。選手の利益のため責任を持って対応する」と訴えたが、米ニューヨーク・タイムズ紙によれば、質問をはぐらかすIOC側の対応に参加者はイラ立ちを募らせたという。

 開催決定の期限や条件に関する質問に明確な答えはなく、無観客開催の可能性には「好ましくないが、全ての選択肢がある」。全アスリートが同じ条件で練習するためのガイドラインやルールを問う声もあったが「危機的な状況にあった中国でさえ練習を続けた選手がいた」と返答されたという。米国から参加した卓球のハン・シャオは「自身や社会を守るのではなく“練習法を探せ”と言われているよう」と嘆き、カナダから参加した陸上男子短距離のオルセイ・スミスは「“大会は開催できるかもしれないが、最優先事項はアスリートと家族の健康だ”と言ってくれれば素晴らしかったけどね」と皮肉交じりに語ったという。選手側の不信感は拭えそうにない。

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2020年3月20日のニュース