東海大 箱根連覇へ“黄金世代”館沢主将「初めて壁にぶち当たった」ケガ乗り越え急ピッチ仕上げ

[ 2020年1月1日 05:30 ]

ランニングで汗を流す東海大・館沢亨次(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ

 第96回箱根駅伝は、2日午前8時、東京・大手町をスタートし、2日間にわたって10区間217・1キロで争われる。王者・東海大は故障で今季出遅れた“黄金世代”の館沢亨次主将(4年)が大会2連覇に向けて急ピッチで調子を上げている。過去に5、8、4区を経験しており、どの区間に投入されても対応は可能。箱根Vを誓い合って入学した同期とのラストランは黄金色で締めくくる。

 館沢はこの一年で天国と地獄を味わってきた。箱根駅伝初優勝と長期離脱を余儀なくされた故障。どちらも自分自身を成長させてくれたと実感している。「小学生から陸上をやってきて初めて大きな壁にぶち当たった年。ただ、ケガは足止めではなく次への飛躍につながったという年にしたい」。2連覇を託された主将が決意を胸に箱根路に立つ。

 トラックが主戦場だが、前回大会は4区で2位と好走。ロードも強いオールラウンダーとしての本領を見せつけた。しかし、今季は4月ごろから不調にあえいだ。「去年できていたことがうまくいかなかった」。5月の関東インカレでは得意の1500メートルでチームメートの飯沢千翔(1年)に0秒01差で競り負け、6月の日本選手権は9位に沈むなど周囲から見ても本調子とはいえなかった。

 8月、右ハムストリングスと恥骨に故障を抱えていたことが発覚した。「下手をすると全治2年くらいの大ケガになる」と医者から忠告されたという。丈夫さが取りえという館沢にとって長期離脱の可能性もあるだけにショックだったが、国立スポーツ科学センター(JISS)でリハビリしたことで自分の体に真摯(しんし)に向き合うようになった。「だらだら携帯を見ていた時間を自分の体のために使うことが大事だと感じた」と振り返った。

 地道なリハビリを乗り越え、11月の世田谷246ハーフマラソンで復帰。思いのほか痛みはなく、続く上尾ハーフマラソンでも設定ペースを上回るタイムで完走した。「治りは思ったよりもいい」と出走の条件は整った。区間エントリーでは当日変更が可能な補欠に回ったが、両角監督は「館沢は絶対に使う」と明言。「出雲、全日本は下級生が目立った。やっぱり4年生は強かったと思ってもらえるような箱根にしたい」と正月決戦を見据えている。(河西 崇)

 ◆館沢 亨次(たてざわ・りょうじ)1997年(平9)5月16日生まれ、神奈川県横浜市出身の22歳。中山中―埼玉栄高。17、18年の日本選手権1500メートルを2連覇した日本を代表する中距離ランナー。駒大の中村大聖、国学院大の土方英和とは埼玉栄高でチームメート。5000メートルの自己ベストは13分48秒89。1メートル73、64キロ。

続きを表示

2020年1月1日のニュース