静岡聖光学院 昨年4強シード校から意地の1トライ WTB赤津「少しは雰囲気を変えられたかな」

[ 2019年12月31日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第3日・2回戦   静岡聖光学院5―56流通経大柏 ( 2019年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<静岡聖光学院・流通経大柏>後半10分、高橋のキックパスをおさえ、意地のトライを決める静岡聖光学院・赤津(撮影・北條 貴史)
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 静岡聖光学院の6度目の花園は意地のトライとともに幕を閉じた。Bシード流通経大柏(千葉)との2回戦に5―56で敗れ、目標のシード校撃破と初の3回戦進出はならず。だが後半にWTB赤津圭哉(2年)が花園通算50個目のトライを奪うなど、来季につながる戦いを見せた。

 悔し涙で頬を濡らしながら胸を張ってスタンドへのあいさつを終えた。昨年4強のシード校に大敗こそ喫したが、最後まで成長の跡は示し続けた。

 0―49で迎えた後半10分、相手ゴール前のラックからSH平野史也(3年)が右へ展開。サイドライン際を駆け上がった赤津がSO高橋謙(2年)のキックを引き出し、そのままインゴールに飛び込んだ。

 「ウイングの自分からは空いているところが見えるので、スペースへのキックは狙っていました。少しは雰囲気を変えることができたかなと思います」。初出場した09年から10試合目。節目のトライで強豪相手に一矢を報いた。

 序盤から平均体重で10キロ以上下回るFW戦を中心に劣勢。2メートルのロック、ディアンズ・ワーナー(2年)らの推進力の前に前半で5トライを許した。さらに前半終了間際にCTB大西馨汰主将(3年)が負傷交代。佐々木陽平監督(42)が「公式戦は初めてではないか」という困難に見舞われた。

 それでもいつも通り選手だけの話し合いで修正。後半は相手陣内での展開が増えた。平野は「今まで馨汰に頼っていたので後半は“馨汰が驚くプレーをしよう”と話し合いました」と平野。佐々木監督は「主将不在は新しいチャレンジでしたが持ちこたえてくれました」とトライを含めた後半の出来を称えた。

 赤津は3年生からシード撃破の目標を託され決意を新たに。「シードの守備は固いのでもう一つ上のレベルのアタックを目指したいです」。1年後にひと回りもふた回りも成長し、花園に戻ってくる。

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2019年12月31日のニュース