青学大・鈴木主将、前回10区2位雪辱の時「原監督ビックリさせたい」

[ 2019年12月31日 05:30 ]

16日に行われた壮行会で抱負を語る青学大・鈴木
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 【箱根に駆ける(5)】王座返り咲きを狙う青学大は、殻を破った主将の鈴木塁人(4年)が集大成の走りを誓う。前回大会は10区で区間2位と悔しさを経験した。主将として臨む今季は、挫折を味わいながらも人間的に成長。常勝軍団を再び、頂点へけん引する。

 前回大会は10区2位で優勝を逃す悔しさを身をもって味わった。雪辱の舞台へ、主将の鈴木は「最後は笑顔で終われるようにしたい」と力を込めた。

 今年1月、森田、小野田、林ら区間記録保持者を擁した世代に代わって新主将に就任。2月の丸亀ハーフマラソンでは今季日本人学生最高タイの1時間1分45秒をマークするなど、滑り出しは順調だった。しかし、トラックシーズンが始まり、駅伝シーズンが近づくにつれて鈴木の調子は下降線をたどり始める。10月の出雲駅伝は貧血で補欠に回り、チームも5位と大敗した。

 主将としてやるべきことはやっていた。ミーティングを重ね、寮則や練習姿勢を厳しく追求した。モチベーションの差が広がった2軍寮の同級生に対しても「一緒にやるかやらないかの厳しい選択をした」という。それでも自身もチーム状態も上がらない。息苦しさの原因にやっと気付いた。「何かを変えなきゃといっぱいいっぱいになっていた。キャプテンとしてあるべき姿は、自分に集中して、自分が頑張ること。そうすればチームも良くなる」

 全日本大学駅伝は個人こそ4区7位と振るわなかったが準優勝し、11月中旬の合宿でもチーム全体の復調を実感。「プレッシャーや自分の役割との付き合い方を見つけるのに時間がかかりました」と苦笑いしつつも「人として一回りも二回りも成長できた」とすがすがしい表情で振り返った。

 苦しんだが、最後の箱根には間に合った。3区にエントリーされた鈴木は不敵な笑みを浮かべる。「原監督に4年間で一番褒めてもらえたのは出雲の選手宣誓の時なんです。でも最後は走りで“あいつ凄いな”ってビックリさせたい」。指揮官の「青学の4年生はやってくれる」という期待に、必ず応えてみせる。

 ◇鈴木 塁人(すずき・たかと)1997年(平9)7月23日生まれ、千葉県柏市出身の22歳。西原中―流通経大柏高。中学では野球部に所属していた。大学3年の出雲駅伝は2区で区間賞、箱根は10区で区間2位。今年2月の丸亀ハーフマラソンで日本人学生トップタイの1時間1分45秒をマーク。1万メートルの自己ベストは28分31秒66。1メートル74、60キロ。

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