京都成章ヒヤヒヤ逆転勝ち 巨漢LO本橋、試合前にジャージー破れるも背番号なしで50メートル独走T

[ 2019年12月31日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第3日・2回戦   京都成章32―14尾道 ( 2019年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<京都成章・本橋> 後半27分、背番号なしのジャージでトライを決める京都成章・本橋(撮影・大森 寛明)
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 背番号なしのジャージーで駆け抜けた。後半27分、SH宮尾からパスを受けた京都成章のロック、本橋が50メートル独走。2人のタックラーを引きずりながら、ゴール中央に飛び込んだ。1メートル91、110キロの重戦車がパワー全開で奪ったダメ押しのトライ。2年生で高校日本代表候補に選ばれた逸材が最後に笑った。

 「前回大会と合わせて3度目のトライだけど、第1グラウンドでは初めて。W杯会場で決めるのは気持ちいいです。抜けた瞬間、道が見えました」

 アクシデント発生は試合前の練習だった。背番号4のジャージーの左脇が破れてしまった。「引っ張られて破れたけど、体が少しずつ大きくなったのも影響したかも」。背番号入りの予備がなかったため、大会本部に背番号なしでの出場を申告しての尾道戦。「何か言われないかと、ソワソワしていた」と緊張の中でのキックオフだった。

 試合も先発FW8人の総体重で73キロ差をつけていたスクラムが何度も押され、前半を10―14で折り返した。「このしんどい状況を、逆に楽しんでこい」。湯浅泰正監督(55)の助言に本橋は目を覚ました。後半8分に強みを生かしてラインアウトからモールを形成。5メートルを押し込み、2年生のSH宮尾が逆転トライを決めた。

 「苦しい経験を生かして、決勝に進んで勝ちたいです」

 大会中も夜は1キロご飯を平らげる巨漢ロック。本領発揮はこれからだ。 

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2019年12月31日のニュース