全国高校eスポーツ初代王者が語る「楽しんだプレーヤーが勝つ」、12・28第2回大会決勝

[ 2019年11月20日 07:30 ]

第1回大会LoL部門王者の東学大付国際(左から)羽豆、中島、後閑、上倉
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 高校生のeスポーツ日本一を決める「全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社、サードウェーブ主催)の決勝大会が12月28日から2日間、東京・EBiS303で開催される。競技部門はロケットリーグとリーグ・オブ・レジェンド(LoL)の2タイトル。同選手権の魅力ややりがいを、昨年度の第1回大会王者になった東京学芸大付国際中等教育の選手たちに聞いた。

 ISSゲーミング。東学大付国際の英語表記の略称「TGU ISS」(TOKYO GAKUGEI UNIVERSITY International Secondary School)を冠した同チームが、93チームが参加したLoL部門の初代高校王者に輝いた。今年も在学しているのはプロチームに所属する3年生・後閑敬斗(Flaw)のみ。他の選手たちの多くは卒業し、大学生となっている。

 高校では、LoLはオンラインゲームに親しむ生徒が数人のグループで遊ぶタイトルだった。2年だった後閑の抜きんでた強さが仲間内で知れ渡り、3年チームが夏休み明けに合流を呼びかけて大会出場に踏み切った。合同練習は月に2、3回。約3時間のプレーでポイントを確認して、また個別練習に戻る…というサイクルで準備を重ねた。

 進学校ということもあり、大学受験との両立は全員で共有する前提だった。大学生になった今もほぼ毎日プレーする中島健人(いーヴぁい)は「ちょうどいいメリハリになりました。競技として取り組むなら勉強もしっかりやろうと思えました」と振り返る。昨年12月にあった予選は、大学入試センター試験のちょうど1カ月前だった。年が明けて3月に幕張メッセであった決勝には、入試・卒業式も無事に終えた上で出場。高校生ラストシーズンを文字通り全力疾走で駆け抜けた。

 大会の経験は、選手たちに確かな成長の足跡として刻まれる。大学では簿記の勉強に没頭する羽豆直人(harentti)は“公式戦の全国大会”で勝ったことに意味を見つけた。「自分にとっては、初めてといえるちゃんとした実績です。チャンスを見つけて立ち向かっていけば、何かを成し遂げられるんだと分かりました」。在学中にはプロムナード(北米の高校などであるフォーマルの舞踏会)で、同級生たちからも称賛と祝福を浴びたという。メディアアートを専攻する上倉隼(Mochi)も「SNSでも少し話題になったし、“こういうふうに(周囲の世界は)変わることがあるんだ”と実感しました」と、日常生活では決して巡り合えなかったであろう景色を垣間見た。

 今年の第2回大会に、東学大付国際は出場しない。通常の部活動の枠組みとは少し違う絆で結ばれた1回だけの“奇跡”のチームは、今でもオンラインの世界で連れだって戦いの旅に出るという。中島は「柄じゃないですけど」と少し照れながらも、真っすぐに瞳を据えた。「ボクたちは普通の同級生よりもずっと仲良くなれたし、それがこれからも続いていきます。第2回大会に出場する選手たちも良い仲間に出会ってほしいです」。プロチームで世界のトップレベルの壁に挑戦する後閑は―。いま思うのは、高校生というカテゴリーだからこそ得られたeスポーツのまた別の魅力だ。

 「1歳上の学校の先輩たちと一緒にプレーして、全国大会で優勝できたということが一番うれしかったです。楽しんだプレーヤーが勝つ。緊張に飲み込まれることなく、今年もこの大会に挑む全国すべての選手たちに頑張ってほしいです」

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