ラグビー新プロリーグ構想で激論 川淵氏、清宮氏に“クギ”「観客動員が全て」

[ 2019年11月20日 05:30 ]

「スポーツビジネスジャパン」でプロリーグについて熱く語る川淵三郎氏(左)と聞き入る清宮克幸氏
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 日本ラグビー協会の清宮克幸副会長(52)が19日、さいたま市で行われた「スポーツビジネスジャパン」に出席。サッカーJリーグ初代チェアマンで日本トップリーグ連携機構会長の川淵三郎氏(82)らと、21年秋の開幕を目指す新プロリーグについて論議した。川淵氏はラグビーの新リーグへ協力姿勢を打ち出す一方で、清宮氏に“クギ”を刺す一幕もあった。

 当初はW杯閉幕後初となる今月13日の理事会でリーグ概要の承認を得て、構想を発表予定だった清宮副会長。ところが他の理事から慎重論も出て現時点で具体的な決定事項はない。「個人的にはかなり不満。こんなスピードで21年にできるのかと。ただ、公益財団法人として手順がある。粛々とクリアしている」と話し、実現へ不退転の決意を語った。

 サッカー、バスケットボールのプロリーグを実現してきた川淵氏。W杯を通じて「プロ化へいい準備ができた印象」と語る一方、清宮副会長が「どうやって稼ぐか。僕らは世界で成功する。放映権で稼ぐ」と主張すると、こう持論を展開した。

 「前提はスタジアムにどれだけ入るか。それが基準でメディアは放送する。観客動員が成功の全て。断言したい」

 プロリーグの収益の4本柱は入場料、スポンサー料、物販収入、そして放映権料。川淵氏はJやBリーグの運営経験から「4つの確保は常に念頭に置かないといけない」と提言。ブレーキをかけられた形の清宮副会長も、さすがに反論はできず「後出しの優位性を生かす。いいところは全部いただく」と応じた。

 プロリーグは23年W杯に向けて、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの続投が決まった日本代表強化の柱になる。清宮副会長は改めて「レベルの高い環境でプレーするためにも、プロ化が必要」と語り、川淵氏も「可能な限りサポートしたい」と約束していた。

 ▽ラグビーのプロリーグ 日本協会が21年秋の開幕を目指しているプロの運営母体、プロクラブ、プロ選手による新リーグ構想。7月末には清宮副会長がW杯の12会場を本拠地とする基本構想を示したが、その後プロ化に前向きなトップリーグチームは6~8チーム程度と報じられた。今月中に基本構想などを発表する計画だったが、13日の理事会では準備委員会の設置が決まるにとどまり、21年秋の開幕が危ぶまれている。
 

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2019年11月20日のニュース