【大畑大介 レジェンド展望】サモア戦“刺客”は初先発・坂手!必勝3カ条も提言

[ 2019年10月4日 08:00 ]

ラグビーW杯2019 1次リーグA組   日本―サモア ( 2019年10月5日    豊田ス )

サモア戦で初先発する坂手をフィジカルモンスター軍団の刺客に指名(撮影・吉田 剛)
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 テストマッチのトライ数世界記録保持者で、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りをした大畑大介氏(43)が、1次リーグA組第3戦サモア戦(5日、愛知・豊田スタジアム)の展望を語った。ハードタックラーでならす大会初先発のフッカー坂手淳史(26=パナソニック)を、フィジカルモンスター軍団の刺客に指名。(1)粘り強い守備(2)不用意なキック撲滅(3)ボーナス点を意識するなという3カ条を提言した。 

 ◆充実布陣
 チームの充実度を感じさせる布陣だ。アイルランド戦から先発を3人変更。フッカー坂手、ロックのファンデルヴァルト、フランカーのリーチをスタメンにし、ロックのヘルを、今大会初めてベンチ入りさせた。

 マフィ、トンプソンが万全ではないとはいえ、新しい戦力を使いながら、W杯中にチームとして成長しようという意図がうかがえる。決してサモアを下に見た構成ではない。決勝トーナメントに向けて、もっと強くなりたい。そういう姿勢を感じさせるメンバーだ。

 大会初先発の坂手に特に期待をしたい。個のパワーに秀でたサモアに対して、タックルの強さを見せてほしい。セットプレーでも鍵を握る。CTB中村とともに、守備に優れた2人が、相手の勢いをそいでほしい。ともに、一発で流れを変えられるビッグタックルの持ち主だから、それが可能だろう。

 ◆敵国背水
 負けたら決勝トーナメント進出の望みが消えるサモアは、序盤から勢いをぶつけてくる。巨体を生かしたパワープレーが得意。最初に乗せると、やっかいだ。試合への入り方はいつもより慎重にならなくてはいけない。アイルランド戦で発揮した2人で1人に当たるダブルタックルで、簡単に前進をさせないことが優先事項になる。

 攻撃がチグハグになり、相手がイライラするような展開が理想。全チーム最多の3枚のイエローカードをもらっている通り、規律に不安を抱える。粘り強くないサモアに、粘り強く戦えば、勝機は訪れる。

 ◆FB警戒
 日本でのプレー経験があるFBナナイウィリアムズは要注意。7人制代表のトップ選手だったように、個人技は脅威。スピードとステップで、1人で何でもできてしまう。彼にスペースと時間を与えてはいけない。日本代表もそれが分かっているから、不用意なロングキックはしないだろうが、攻撃力が突出した相手に簡単にボールを渡さないことが大切だ。

 4トライ以上で得られる「ボーナス点」にこだわる必要はない。ボーナス点がなくても、残り2連勝をすれば1位で通過できる。攻撃的になるとリスクが伴う。PGで3点を積み重ねる選択肢を含め、勝利に向かって着実に進むことが大事だ。(ワールドラグビー殿堂入り 19年W杯アンバサダー)

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