米スポーツメディアの中核「スポイラ」が激震 40人以上の編集スタッフが解雇

[ 2019年10月4日 14:36 ]

スポーツイラストレイテッドの表紙(AP)
Photo By AP

 1954年の創刊で米スポーツ・メディアを代表する雑誌「スポーツ・イラストレイテッド」の編集業務に当たっていた40人以上のスタッフが3日に解雇された。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じているもので、創刊以来、多くの情報を提供してきたスポーツ専門誌は重大な岐路に立たされた。

 スポーツ・イラストレイテッドの発行会社だったタイム社は2018年1月にメディア系複合企業のメレディス社に買収され、そのメレディス社は今年になってライセンス事業を手掛けるアスレティック・ブランズ・グループに知的財産権などを1億1000万ドル(約118億円)で売却。その一方で“スポイラ”の出版権はシアトルに本拠を置くメディア系の企業、ザ・メイブン社が握っていた。

 ザ・メイブン社が発行に携わって以来、大量解雇の噂はずっと絶えなかったがそれが現実になった形。スポーツ・イラストレイテッドに寄稿していた記者やスタッフは総勢160人だが、その4分の1が一気に解雇され、今後もその数は増えると見られている。

 ザ・メイブン社はローカル・スポーツの拡充を理由に、これまで自社の事業に関わってきた200人を新スタッフとして採用する見込み。過去7年にわたって編集長を務めたクリスチャン・ストーン氏も辞職に追い込まれた。

 スポーツ・イラストレイテッドはどんなアスリートが表紙を飾るかが常に全米の注目を集め、NBAの元スーパースター、マイケル・ジョーダン氏(現ホーネッツ・オーナー)が最多の50回を記録。また毎年恒例の水着特集も人気で、まさに米国の“国民的雑誌”のひとつ。しかし記者および編集スタッフが一新されることで、編集内容やブランド価値が激変する可能性が出てきている。

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2019年10月4日のニュース