ラグビー日本代表 南アに完敗…1Tのみ6年ぶり1桁得点、本番まで2週間で立て直す

[ 2019年9月7日 05:30 ]

リポビタンDチャレンジカップ2019   日本7―41南アフリカ ( 2019年9月6日    熊谷 )

後半、トライを決める松島(撮影・久冨木 修) 
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 日本は南アフリカに7―41で敗れ、20日に開幕するW杯前の全試合を終えた。4年前の大金星再現を狙ったが、世界ランク5位の厚い壁の前にはね返された。1桁得点は13年11月のニュージーランド戦以来6年ぶり。ディフェンス面でも6トライを失い、新たな課題が挙がった。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)の下で2週間後の本番に向けて立て直す。

 4年前のリベンジに燃える南アフリカの壁は厚かった。日本は磨いてきた得点力を発揮できず、1桁得点は13年11月のニュージーランド戦以来。6トライを失ったディフェンス面も課題は山積だ。それでもリーチ主将は「望んだ結果ではなかったが、負け試合から得るものがある。いい準備になった」と前向きに捉えた。

 予想に反してキックを多用され、最後まで対処に苦労した。ボールを持たされて接点ではFWが圧力を受け、バックスに攻撃のリズムが生まれなかった。特にSO田村は高いスキルを発揮できず判断も鈍った。「ブレークダウンの精度が高くなかった。あまりいいボール(パス)が出てこなかった」と認めた。

 リーチが4年間の成長を最も認めるのが田村だ。2試合の出場にとどまった前回W杯後は10番に定着。選手を主導するリーダーグループに入った当初は「外してくれ」と言われ続けたが、最近1年は変化があった。発言と行動でチームをけん引し、リーチ主将から「日本で一番賢いラグビー選手。彼がゲームキャプテン」と認められた。

 弱みをさらしたことで、W杯の1次リーグで対戦するアイルランドとスコットランドも突いてくる可能性が高い。だがリーチ主将は「時間は十分ある。日本は修正能力が高いし、スタッフもそのための練習を考えてくれる」と強調する。4年前は本番前の壮行試合で密集の攻防に課題が出たが、修正して歴史的な3勝を挙げた。今回も残り2週間で修正すれば、本番でこの弱みを“まき餌”にできる。

 ジョセフHCも「今日のパフォーマンスは誇らしい。W杯への準備で絶対に必要な試合だった」と言い切った。厳しいレッスンを受けたが、歩んできた道に間違いはない。31人全員が信じて、一生に一度の舞台を迎える。(阿部 令)

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2019年9月7日のニュース