八村 米国の壁の前に自己ワースト4得点 日本 W杯最多得点差53点で3連敗

[ 2019年9月6日 05:30 ]

バスケットボールW杯1次リーグE組   日本45―98米国 ( 2019年9月5日    中国・上海 )

八村(AP)
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 1次リーグE組で世界ランク48位の日本は、同1位の米国と1972年ミュンヘン五輪以来、世界大会で47年ぶりに対戦し、45―98で壮絶に散った。53点差での敗戦はW杯での日本の最多得点差となった。八村塁(21=ウィザーズ)も代表13試合目で自己ワーストの4得点と封じられ、NBA軍団を相手に猛アピールはならず。3戦全敗の日本は東莞での順位決定リーグで、7日に世界38位のニュージーランド、9日に同28位のモンテネグロと戦う。

 全力を尽くしてなお、最強ライバルの背中は果てしなく遠かった。八村は代表13試合目で自己ワーストとなる4得点。大差がついた第4クオーター(Q)は出番がなく、ベンチで屈辱のブザーを聞いた。47年ぶりの米国戦は53点差の大敗。実力差を見せつけられた21歳は、険しい表情でコートを後にした。

 「僕らとしてもできる限りのことをやった。これからの日本バスケのために、何かいいものをつかめたんじゃないか」

 八村は第1Qはシュートわずか2本、第2Qはまさかの0本で無得点。チームは前半だけで米国の3点シュートを10本被弾した。ようやく八村が初得点を挙げたのは第3Q4分38秒。ターナー(ペーサーズ)の上から、ダンクを叩き込んだ。「(ゴール下が)空いていたので、そのままダンクにいこうと思った」。唯一の見せ場だった。

 小学生の時は野球で汗を流す日々。奥田中学入学後、友人に連れられてバスケ部にやってきた少年は、ヒーローへの階段を一気に上った。NBAドラフトで日本人初の1巡目指名を受け、日の丸を背負ってW杯へ。14年U―17世界選手権で38―122と屈辱を味わったこともあり、リベンジに燃えていたが、粉砕された。

 手を抜くわけではないが、闘志の点火にライバルが必要だった少年時代。奥田中の坂本コーチは、「運動会も頑張っていなかったし、バスケも弱い相手では頑張らない」と振り返る。スター不在とはいえ、NBA選手でそろえた米国は、潜在能力を引き出す最高の相手。「楽しむのが原点。そこは絶対に忘れないように」。初心を胸に立ったコートで、厳しい現実を知った。

 NBA関係者が熱視線を送る中、10月23日開幕のシーズンに向けてアピールはできなかった。1次リーグは3戦全敗となったが、戦いは続く。順位決定リーグで7日にニュージーランド、9日にモンテネグロと対戦。「1勝でもできるように頑張る」。13年ぶり勝利へ。八村の爆発的なスコアリングを、みんなが待っている。

 ≪馬場最多18得点≫富山・奥田中で八村の2学年上の馬場が、チーム最多18得点と奮闘した。「弱気だった」という過去2試合の反省を生かし、アグレッシブに攻めた。第4Qにスティールからダンクを決めれば、3点シュートも鮮やかに成功。「パスを回すと後手後手になる。やりたいようにやった」。NBA入りを狙って猛アピールに成功。八村も「うれしい。雄大さんに活躍してほしかった」と話していた。

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