南ア戦へ リーチ主将、兄の命日に誓い 天国へ届ける15年W杯の「奇跡」再現

[ 2019年9月5日 05:30 ]

南アフリカ戦への決意を語るリーチ(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 日本ラグビー協会は4日、W杯日本大会に向けた壮行試合として6日に行われる南アフリカ戦の日本代表の登録メンバー23人を発表した。フランカーのリーチ・マイケル主将(30=東芝)は、「世紀の番狂わせ」と称賛された15年W杯の前回対戦時と同じ6番での先発が決定。主将にとって忘れられない日である「9・4」に、最強の布陣でリベンジに燃える南アを返り討ちにすることを誓った。

 4年間のベンチマークを測る時がやってきた。7月27日にニュージーランドと引き分けた一戦と先発15人中14人が同じ南アに対し、日本もケガ人を除きベストメンバーを構成。「W杯以上に注目される」と心待ちにするリーチも、緊張の面持ちで「4年間で積み重ねてきたことを全てぶつけて、どれだけ強くなったか確かめたい」と意気込みを語った。

 4年前は主力数人を温存した南アだが、リベンジに燃え、同じ“過ち”を繰り返せない今回は本気度100%だ。リーチも「予想しうるベストメンバー。見てうれしかったし、日本へのリスペクトを感じる」と武者震い。そこで勝利の鍵を握るのが事前の準備だ。「分析すれば弱点が見える。弱点が見えれば、強いイメージがなくなる」。パシフィックネーションズ杯からは相手選手個々の弱点を洗い出し、ホワイトボードに書いて共有する作業を開始。4年前の南ア戦前にも行っていた「勝利の大解剖」で、精神的にも優位に立ってキックオフを迎える。

 ちょうど10年前の9月4日、4歳上の兄ボビーさんを交通事故で亡くした。ラグビーでは高校でニュージーランド南島代表に選出されるほどの才能と体格を持った選手だった。けんかをすれば「いつもボコボコにされた」というが、「おかげでタフになった」と感謝する最愛の兄。リーチは心臓に近い左胸に名前と命日、十字架を刻んだ。その後のラグビー人生を兄とともに歩み、3度目のW杯を迎えようとしている。

 フィールド上の指揮官として、決断力を試される一戦にもなる。4年前同様、ペナルティーで「ショット選択よりもチャレンジのマインドセット。モール、スクラムに行きたい」と断言したリーチ。2度目の番狂わせで、再び列島をラグビー一色に染める。(阿部 令)

 ▽15年W杯の南アフリカ戦VTR 9月19日、英南東部のブライトンで1次リーグの初戦で対戦。日本はFB五郎丸のPGで先制し、取られても取り返すの攻防で10―12でハーフタイムに。後半も五郎丸のPGやトライで食らい付くと、3点を追う試合終了間際のゴール前ペナルティーで選手がジョーンズHCの指示を無視し、スクラムを選択。これを起点に連続攻撃を仕掛け、最後は途中出場のWTBヘスケスがインゴール左隅にタックルを受けながらも逆転トライを奪い34―32で勝利。「世紀の番狂わせ」「W杯史上最大の下克上」などと称賛された。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「卓球」特集記事

2019年9月5日のニュース