葛藤抱えながらの復帰戦 鈴木桂治氏「もうないです」 柔道全日本実業団体対抗大会

[ 2019年6月8日 20:30 ]

柔道全日本実業団体対抗大会第1日 ( 2019年6月8日    高崎アリーナ )

試合途中、苦悶の表情を浮かべる鈴木桂治氏
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 男子3部で2004年アテネ五輪100キロ超級王者の鈴木桂治・男子日本代表重量級コーチ(39)を擁する国士舘大クラブが初優勝を果たした。鈴木コーチが公式戦に出場したのは、2012年秋の岐阜国体以来、7年ぶり。個人成績は1~4回戦が全て一本勝ち、準決勝、決勝の2試合は引き分けで、優秀選手賞も授与された。

 表彰式を終えた鈴木コーチは下衣を脱ぎ、右膝をがちがちに固めていたテーピングをはがした。1月7日に手術を受け、この日も痛み止めを飲んで試合に臨んだほど。しかも代表コーチ、国士舘大監督として多忙を極めるため、練習は「本当にやっていない。ほぼゼロ。0・5くらい。先々週、2日間で立ち技(の乱取りを)5本やったくらい」。それでも畳の上に立てば闘争本能がよみがえる。代名詞だった足技もさえ、4回戦は大外刈りで一本。「今の精一杯はやったので100点。今、これが僕のできる全て。いい経験をさせていただきました」と晴れやかな表情で振り返った。

 当初は今回の出場に葛藤もあったという。国士舘大時代の後輩や教え子から誘われたものの、現在は指導者の立場。3部とはいえ、真剣に五輪や世界選手権を目指す選手たちにまじり、ろくに稽古を積んでいない自分が出ていいものなのか。「後ろめたさも少しあった。柔道をなめていると思われるな、と思った」。実際、練習不足がたたり、3、4試合目で脱水症状気味に。「頭がボーッとした。やっぱり柔道をなめていました」と話したが、応援に駆け付けた現役の教え子たちに、戦う姿を見せつけた。

 2012年のロンドン五輪代表を逃して第一線を退いた後も、団体戦などへの出場に含みを持たせていた鈴木コーチ。「引退宣言はしていないと記事を書いていただいたことはありますけど、もう引退します。もうないです」と宣言した。今回の“復帰”が大きく報じられたこともあり、「そういう意味(話題性)では良かった。宣伝部長に少しでもなれたらいい」とお家芸の人気拡大に一役買い、肩の荷を下ろした。

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