大けが乗り越え…心身充実の主将が引っ張るNTTドコモが“面白い”

[ 2019年6月8日 08:45 ]

新シーズンへ意気込むNTTドコモのWTB茂野洸気主将
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 競技人生は何が幸いするか分からない。ラグビー・トップリーグに昇格したNTTドコモのWTB茂野洸気主将(30)は故障をきっかけにして、再び成長の階段を上がり始めている。

 17年の夏合宿で右ひざのじん帯を断裂した。「競技人生初めて」という手術を伴う大けが。そのシーズンを棒に振ったことで、色々な気付きが生まれた。

 「ケガをするまでは、自分がボールを持てば、行けばいいという考えだった。今は、どうすればチームを勝たせられるか、どうすれば相手に効くように走れるかを考えている。スタンドから試合を見て、ノンメンバーの思いも分かるようになった。ケガをしている間にラグビーの試合もたくさん見た。今が一番、(ラガーマンとして)いい時期かなと思っている」

 W杯日本代表候補のSH茂野海人(28=トヨタ自動車)の兄は、瞬間的なスピードと身長1メートル70らしからぬ強い下半身で、早くからレギュラーを手にした。うまくなりたい一心でここまで来た。自分のことで精いっぱいだった。それが故障や年齢、主将に就いたことで、周囲に目が行くようになった。不思議とプレーに幅が出てきた。周囲を生かすコツを覚えた。

 昇格と降格を繰り返してきたチームにも、今度こその変化の兆しが生まれている。元オールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)のマイケル・ブリューワーヘッドコーチ体制になった昨季、メンタルトレーニングが導入された。

 効果は昨年12月のコカ・コーラとの入替戦で表れた。7―17で迎えた後半にアタックが目を覚ました。いい時は爆発的な攻撃を見せるが、悪い時はズルズルいってしまう。長く染みついた嫌なチームカラーを、少し払拭できた試合だった。

 「メンタルトレーニグで、ミスをしたときの切り替え方法を学んでいる。入替戦は後半にスイッチを切り替えられた」

 そう振り返る茂野は、28―24と逆転して迎えた後半33分に勝利、すなわち昇格を決定付けるトライを挙げた。味方がつくったチャンス。ゴール前左サイドであまった形でボールをもらい、インゴールへ飛び込んだ。33―24でノーサイドの瞬間を迎えた。

 16年から2年間、チームはセットプレーを重視した南アフリカ流に移行したが、昨季からボールを動かす戦術を柱にしている。トップリーグ(今季は20年1月開幕)定着、上位進出へ、カップ戦は腕試しの場。22日の宗像サニックス戦(滋賀県・布引運動公園)から、これまでとはひと味違ったドコモを見せる。(記者コラム・倉世古 洋平)

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