“松山世代”木下稜介 令和初のアルバトロス 憧れの舞台への扉を開け 

[ 2019年6月1日 10:15 ]

木下稜介
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 男女を通じて令和初アルバトロスが達成された。茨城のザ・ロイヤルGCで行われたミズノ・オープン初日。570ヤードの3番パー5で木下稜介(27=ハートランド)が自身初の偉業を成し遂げた。

 アルバトロスとは、ホールの規定打数より3打少なくそのホールを終了することを指す。アルバトロスという言葉は英語のアホウドリのことで、大きな翼で長距離飛行をこなすことから由来したという。ホールインワンよりも難しいとされ、男子ツアーの資料が残る1985年以降では今回が41度目の達成。同ツアーで近年は毎年10名前後がホールインワンを達成していることと比較しても、その難易度が分かる。

 「アルバトロスは一生に一度あるかないか。超うれしかったです」。“持っている男”とも言える木下は、奈良出身の27歳。高校は地元を離れて香川西に進学した。同じ四国の高知にある明徳義塾に在籍していた松山英樹としのぎを削った“松山世代”の1人だ。

 米ツアーの第一線で活躍する同級生に対して「今は足元にも及ばない」と自身の立ち位置を認識した上で、「日本で頑張って早くアメリカに行って英樹に追いつきたい」と目標を掲げる。昨年には松山に連絡を入れ、アプローチの打ち方を聞いたこともあった。貪欲な姿勢で昨年、国内ツアーの初シードを獲得。一歩ずつその背中を追っている。

 翌日の第2ラウンドでも、同じ3番パー4でバーディー。実はアルバトロスを達成したときと同じように第2打がグリーン手前に落ちて「あっ!」と思ったそうだが、右バンカーに吸い込まれた。それでも、そこから1・5メートルにきっちり寄せてバーディーを奪い「2日間でこのホールだけで4アンダー。相性がいいのかな」と笑う。

 予選を終えて首位と6打差の7位。上位で折り返し、ツアー初優勝も狙える位置につけた。さらに今大会は有資格者を除く上位4人が海外メジャー、全英オープンへの出場権を獲得できる。「今は意識せずにやる」と木下。アルバトロスをきっかけに、憧れの舞台への扉を開きたい。(中村 文香)

 ◇木下 稜介(きのした・りょうすけ) 1991年(平3)7月16日生まれ、奈良県北葛城郡出身の27歳。10歳からゴルフを始め、香川西時代の09年には全国高等学校ゴルフ選手権2位。大阪学院大卒。13年末にプロ転向し、同年のQT3位の資格で翌14年にツアーデビューした。18年に賞金ランク54位に入り、初のシード権を獲得。得意クラブはアイアンで憧れの選手はタイガー・ウッズ。家族は両親と弟。1メートル74、75キロ。

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