錦織 4時間26分の激戦を制し「諦めないことが一番、大きな力になると思う」

[ 2019年6月1日 05:32 ]

テニス全仏オープン ( 2019年5月31日    パリ・ローランギャロス )

総立ちの観客に手を上げて応える錦織圭(撮影・小海途 良幹)
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 男子シングルス3回戦で第7シードの錦織圭(29=日清食品)は世界ランキング32位のラスロ・ジェレ(23=セルビア)に6―4、6―7、6―3、4―6、8―6で勝利した。4時間26分の激戦を制して、5年連続の16強進出。2年ぶり3度目の8強入りが懸かる4回戦は世界38位のブノワ・ペール(30=フランス)と対戦する。

 長く厳しい戦いを終え、錦織が茶目っ気たっぷりに言った。4時間26分に及んだ“マラソンマッチ”後の公式会見。疲労度を問われると「今はもちろん疲れています。早く終わらないかな、と考えながらインタビューに答えています」と笑った。自身の最長試合は1月の全豪4回戦のカレノブスタ(スペイン)戦の5時間5分。今回はキャリアで5番目の長さだった。

 両者譲らずに突入した最終第5セット。錦織は第1、第3ゲームと連続でブレークを許した。「2ブレークダウンして最終セットが始まる経験があまりないので、多少の動揺はあった。負けも頭をかすめましたよ。またレコードに傷がつくな、と。ただ最初の3ゲームは相手が良すぎたので、自分のプレーを続けていればチャンスは来るだろうと思いながらやっていた」。集中力を切らさずに、第4ゲームをブレークバック。相手サーブの第8ゲームも奪うと、7―6で迎えた第14ゲームは15―30から3連続ポイントでブレークして、激戦に終止符を打った。

 最終セットにもつれた試合にはめっぽう強い。ATPツアーの公式サイトによると、錦織はフルセットになった場合の勝利が75・1%で歴代1位。さらに5セットマッチでのフルセットの試合は7連勝中で、22勝6敗の勝率78・6%と抜群の数字を誇る。強さの秘訣を「他の選手がどうなのか分からないけど、集中力は自分の中ではあまり落ちていない。ファイナルになると上がってくる気がする。今日みたいな試合は諦めないことが一番、大きな力になると思う」と自己分析した。

 4回戦ではペールと対戦。1回戦のアリス、2回戦のツォンガに続き、地元フランス勢と顔を合わせる。対戦成績は6勝2敗と勝ち越しているが、4大大会では2勝1敗で3試合中2試合で5セットまでもつれている難敵だ。「次も大変な相手。またフランス人でトリッキーな選手。2週間の長い戦いなので、体もそうですけど、メンタルも疲れてストレスがかかっているので、オフの日(試合がない日)に、いかにリラックスするか。なるべく体を戻して次の試合に臨みたい」。英語と日本語による1つ1つの質問に丁寧に応じて、約15分の会見を終えた。

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2019年6月1日のニュース