西岡 格上相手に奮闘 「理想」的敗戦に拍手喝采

[ 2019年6月1日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第5日 男子シングルス2回戦   西岡2―3デルポトロ ( 2019年5月30日    パリ・ローランギャロス )

3時間を超える死闘を演じた西岡(左)はデルポトロ(右)と総立ちの観客の労いを受けて引き揚げる(撮影・小海途 良幹)
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 男子シングルス2回戦で西岡良仁(23=ミキハウス)は第8シードのフアンマルティン・デルポトロ(30=アルゼンチン)に7―5、4―6、2―6、7―6、2―6で惜敗した。3時間46分の激戦の末、4大大会初の3回戦進出を逃したが、格上の09年全米王者を相手に奮闘した。 

3時間46分の激闘を称える「ヨシコール」が起き、勝者のような拍手を浴びた。身長差は28センチ。1メートル70の西岡は緩急をつけたストロークで1メートル98のデルポトロを苦しめたが、フルセットで力尽きた。試合後に交わした抱擁では頭を胸に押しつけられ、大人と子供のよう。格上の09年全米覇者におじぎで敬意を示されたサウスポーは「自信を手にした。さらに一つ大きくなれた」と誇った。

 下がった位置からのリターンでつなぎ、右膝の状態が良くないデルポトロから第1セットを先取。しかし、テーピングを施し治療を受けた相手の高速サーブとフォアの強打に押され、第2、第3セットを奪われた。第4セットをタイブレークの末に執念でものにすると会場の盛り上がりは最高潮に。最終セットは粘りきれず「最後は僕の方がボールを飛ばせず(デルポトロに)攻められて対処できなかった。第2セットを取れていたらその展開はなかった。第2セットが大きかった」と振り返った。

 会場で収容規模が3番目の新設コート「シモンヌ・マチュー」で初めてプレーした日本人としてファンの脳裏にその姿を焼き付けた。「見てて面白いのが僕の理想。今日の試合で観客が興奮してくれたなら、僕のやれることはやった」。球足の遅い赤土では体格差があっても対抗できることを示した。

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2019年6月1日のニュース