遼 令和初戦へ腰痛問題なし、新時代も「頑張んなきゃ」
男子ゴルフの令和第1戦、中日クラウンズ(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2400万円)は5月2日から4日間、愛知県東郷町の名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(6557ヤード、パー70)で行われる。30日には予選2日間の組み合わせが発表され、平成という時代に15歳で制した2007年マンシングウェアオープンKBCカップなど数々の史上最年少記録を打ち立てた石川遼(27=CASIO)はツアー通算94勝の“レジェンド”尾崎将司(72=I.S.T)、4月のマスターズで予選通過を果たした金谷拓実(20=東北福祉大3年)と同組でラウンドすることが決まった。第60回の節目を迎えた伝統の中日クラウンズで石川の復活はあるのか、注目が集まる。
――腰痛のため2週前の国内開幕戦、東建ホームメイトカップは急きょ欠場しました。今の腰の具合は。
「きのう、きょうやった感じだと問題なくやれてます。あとは木曜日にしっかりとティーオフできるように気を抜かずにコンディションを整えていくということをやらなきゃいけないと思います」
――治療としては。
「電気治療はもちろんありましたし、あとは基本的には関節間が狭くなっているので、それを広げていくということを日々やりながら、ホントに良くなるまではトレーニングもできなかったので、ボールも打ちませんでしたし、ホントに打ち始めたのは先週末ぐらいなので」
――腰の違和感は。
「きのうよりはきょうの方がない気がします。きょうは雨だったのでちょっと不安だったんですが」
――痛めた場所は過去に痛めた場所と同じですか。
「違うところなんですね。最初は左の股関節の疲労骨折だったんです。休みたくないのでそのまま試合に出てたんですけど。それがアメリカツアーの1年目の1月、2月ぐらいですね。それから前回が2016年です。その時は腰椎の4番目辺りだったかな。今回は(腰椎の)5番でした。3番と4番の間よりも今回の方が治り的には自分の感覚的には早かったと思います」
――練習量はまだセーブしていかなきゃいけない段階ですか。
「そうですね。(国内開幕戦の)東建(ホームメイトカップ)を休まざるを得なくなった時には(中日)クラウンズに万全な状態でと。それで2週間、3週間、かかったら厳しいなと思っていたんですが、先週末、ボールを初めて打って炎症が起きなければ、何とかクラウンズは間に合うかなと思って、それがあんまり悪くならなかったので。出ると決めたからには、いい調整をして、いいスコアでも回りたいので、球数的に、たくさん球数を打てば、いい状態になるかというと、まあ、必ずしもそうではないと思うので、自分の動きのイメージとか、アプローチやアイアンの距離感とかにちょっとフォーカスを置いて、練習をちょっと工夫しながらやってます。でも軽く打つっていうことはないです。打つんだったら100%で普段通り打たないと、長期的に見たらゴルフが悪い方に行ってしまうので。体のことも考えながら全て長期的に見た時にいい方向に行くように全部考えていきたいんで。どうしてもやっぱりこう試合が目の前にあると休みたくないというのを思ってしまうんですけど、そういう決断をしなくちゃいけない可能性っていうのも今後しなきゃいけないこともあると思います。理想はクラウンズに出れることかなって思ったんですけど、その時もあんまりそれを考えないで自分の感覚の中でそこは見失っちゃいけないとこかなって思ったので。月曜、火曜と球を打ててるのが自分としては順調にここまでリカバリーできたという風には思ってます。ドライバーの飛距離を抑えて打つということではなくて自分の中では球数をちょっと抑えながら1球1球の力感というのは全く変えてないし、むしろ球打ってなかった割に怖さもないですし、きのうも岩田(寛)さん、上井(邦裕)さん、小袋(秀人)と飛ぶ3人と回ったんですけど、結構、頑張ってやれてたんで、そこら辺も自信もつきました」
――腰に痛みが出たのはいつですか。
「岐阜オープンで予選落ちして、次の日(4月14日)に違うコースで練習したんですけど、その時に雨が降って止めたんですよ。6番くらいで降ってきて9番で止めたんですけどその日の夜ですね」
――どんな痛みだったのでしょう。
「何かじわっといった感じだったから夜もあんまりちょっと痛いなくらいで。また次の日(4月15日)、東建に入って練習ラウンドしようと思ってたんです。弟(航=日体大2年)と。で、東建のコースの側の練習場に行く予定だったんですけど、朝起きたら凄い腰が痛いなあと思って。一応、練習場も行って自分なりにストレッチとかしながら打ち始めたんですけど、凄く痛かったんで。自分の中で嫌な感じがしたんでその日(4月15日)すぐ東京に戻って掛かりつけの先生のところに行って。そしたらもしかしたらヘルニアが出てるかもしれないということで、その日(4月15日)とその次の日(4月16日)の朝、昼、夜って整骨院の先生に診てもらって、良くならなかったので、その次の日(4月17日)にMRIを撮りに行ってその時にはもう東建は厳しいなあって感じでした。きっかけはぎっくり腰に近いと思います。関節分離症と(腰椎)5番のヘルニアがちょっと出てるって感じだったんで、それでまた、そのヘルニアを押し込むには、ゴルフのスイングをしないで、押し込んでからトレーニングで周りの筋肉で補強していかなきゃいけないので。もう腰(の故障)は3回目なんですけど、つくづく自分のヘッドスピードに対して自分の体がついていっていないなと思いますね。本来はこんな体じゃ、こんなに速く振っちゃいけないっていうか、体がついていかないといけないというのは痛感しました。もうトレーニングも始められるんで、今回のことでより明確にトレーニングした方がいいなと。3回目(の腰痛)なんでもう遅いのかもしれませんけど、あんまりこう(体を)デカくしすぎるというのは興味なかったんですけど、自分のヘッドスピードと自分の体の細さが合ってないんだなっていうのは思いました。自分のスイングの仕方だと特に腰に来るんだなと思いましたし、とにかく自分に合った筋肉の付け方っていうのがなきゃいけないので。勉強ですね。ホントに。
――中日クラウンズは今年第60回の記念大会。数々の歴史をつくってきたジャンボさんと10年大会の最終日に「58」をマークして大逆転優勝した石川選手が7年ぶりに同組になりました。
「ホント楽しみです。2日目が終わった後に自分のゴルフに関して質問したいこともあります。ボクのゴルフをどう見ていただいていたのか。久しぶりにごいっしょさせていただけるんで自分も思いっきりやって。去年の(ダンロップ)フェニックスとかでもアドバイスはいただいてたんですけど、今、何か自分の中で突出した悩みとかがあるわけではないんですけど、多分、自分が見えてないだけで足りない部分もあるだろうし、ジャンボさんはいつも核心というか、そういうところしかおっしゃらないので、ホントに愛がある方なんで、どんなラウンドになるか、ワクワク感と緊張感があります」
――もう1人は若手のホーフの金谷拓実選手です。
「きのうも練習場で会って話したんですけど、凄く吸収力がある年代だし、時期だと思いますし、ここ2、3年で彼は正確性は変わらないまま飛距離が伸びて体も大きくなっていってるって中で、このコースをどうやって攻略するのかっていうのも凄く楽しみにしてますし、これからの日本のゴルフ界を背負って立つと思うので、皆さんにも注目して見ていただきたいと思います」
――令和最初のトーナメントに間に合わせることができました。ゴルフ界にとって令和とはどんな時代になると思いますか。
「ビジネス界でもそうですけど、AIというのをドンドン取り入れていく時代になると思うんです。それを引っ張っていくのが今の若者の世代っていうのが凄く不思議な感じがしますね。自分もまだ20代なんでついて行かなきゃいけないんですけど、ついていけなさそうで。頑張んなきゃいけないなって」
――令和という時代の節目を迎えて石川選手自身はどういうプレーを目指しますか。
「今年は日本で賞金王になりたいというのはありますね。それがまず第一歩でそこから世界一の人たちにどんどん挑んでいきたいなっていうのはあるんで、近い目標としては今年、日本一になるということです。平成の時の自分の世界ランキングとかいろんなことも含めて自分が残してきたものを自分自身が令和っていう時代で塗り替えていきたいので、ホント、自分との戦いかなっていうのはあります」
――アームロック式のパッティングスタイルに変わっていますが。
あれは千葉オープンからやってるんで、結構、タッチも出せてるし、慣れてきてるってところではあるんですけど、元々、左腕とクラブの一体感っていうのを意識してるんで、それをより意識し易いかなとは思っています。自分としては今年は長期間これでやっていきたいなと思います」
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