【上水研一朗の目】ウルフ、剛速球投手に変化球が加わった

[ 2019年4月30日 09:14 ]

柔道 全日本選手権 ( 2019年4月29日    日本武道館 )

加藤(左)を破り優勝したウルフ・アロンは感無量の表情を見せる(撮影・小海途 良幹)
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 ウルフは精神的、肉体的スタミナに加え、パワー、組み手の巧みさが備わっている柔道家。そこに今回、緻密さが加わった。剛速球投手に変化球が加わり、幅が広がった感じと言えばいいだろうか。

 例えば、相手有利の組み手になった際、以前は自らつぶれ、逃げることしかできなかった。ところが今回は相手有利になっても体の動きや技を出すことによって流れを変えた。さらに、組み手は切らず、少しずつずらして、自分の技を出せる位置に変えていた。いつの間にかウルフの組み手になることで、相手は無理な体勢で技を繰り出し、スタミナを消耗する。ウルフのもう一つの特長は、リカバリーが早く、トーナメントの終わりになればなるほど他の選手との体力差がつくこと。全日本王者になったことを自信にし、世界選手権までさらに緻密さを身につけてほしい。

 この日の原沢は、内股に頼る傾向があった。本来は大内刈りや大外刈り、支え釣り込み足といった技を持っている選手。五分に組み合った後、自分有利に組み替えていく組み手も課題とし、本番に臨んでほしい。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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