素根が連覇、朝比奈に5連勝 初の個人戦世界選手権代表

[ 2019年4月22日 05:30 ]

柔道 全日本女子選手権 ( 2019年4月21日    横浜文化体育館 )

全日本女子柔道選手権で優勝し笑顔の素根(撮影・小海途 良幹)
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 世界選手権(8月25日~9月1日、日本武道館)の78キロ超級最終選考会を兼ねて体重無差別で行われ、決勝で素根輝(18=環太平洋大)が朝比奈沙羅(22=パーク24)を延長戦の末に破り、初出場から2連覇を達成した。大会後には全日本柔道連盟の強化委員会が行われ、朝比奈とともに初の個人戦代表に選出された。ライバルには3連敗後に5連勝。20年東京五輪代表争いでも先頭に躍り出た。

 女子日本一になりながら、世界選手権の個人戦代表を逃した初制覇から1年。国際大会で着実に結果を残し、ライバル朝比奈には5連勝。表彰式では初の個人戦代表を確信したかのような晴れやかな表情を見せた素根は「絶対に勝ってやるという気持ちだった。しっかり勝ち切れてうれしい」と胸を張った。

 前半は体格と力で勝る朝比奈が試合をリード。2分21秒、先に指導2となり追い込まれてスイッチが入ると、徐々に主導権を引き寄せた。得意とする担ぎ技や大内刈りを繰り出し、最後は不完全ながら内巻き込みで畳に転がし、反則勝ちで勝負あり。「調子がそんなに良くない中、相手を冷静に見て勝ち切れた」と振り返った。

 延長4分すぎには、それまで見せなかった右の袖釣り込み腰で相手を慌てさせ、勝利への流れをつくった。素根自身は「普段から練習でやっている」と事もなく言ってのけたが、最重量級選手では考えられない引き出しの多さが強みだ。4月から指導する環太平洋大の古賀稔彦総監督も「軽量級並みのスピードや器用さを持っている。男子を相手に真剣な練習をして、本物のスタミナを付けたのを延長戦で発揮している」と舌を巻いた。

 準決勝でも先に指導2を取られるなど課題もあるが、古賀総監督が「完成度は60%くらい」という中で、9連覇した塚田真希(現女子代表コーチ)以来の連覇。世界選手権でも「前に前に出て、気持ちも前に出して最後まで一本取りにいく」と素根。平成最後の大会を制し、令和最初の五輪へと突き進む。

 ◆素根 輝(そね・あきら)2000年(平12)7月9日生まれ、福岡県久留米市出身の18歳。7歳から柔道を始め、中3で出場した世界カデ選手権70キロ超級を制覇。16年4月に福岡・南筑高に進学し、17年に全日本選抜体重別選手権を初制覇。昨年は全日本女子選手権、アジア大会、ワールドマスターズなどを制覇した。4月に環太平洋大に進学。1メートル62、110キロ。左組み。得意技は担ぎ技。

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