【上水研一朗の目】素根、組み手の高い技術とスタミナで逆転

[ 2019年4月22日 08:30 ]

柔道 全日本女子選手権 ( 2019年4月21日    横浜文化体育館 )

全日本女子柔道選手権決勝 朝比奈(右)との激闘を制し優勝した素根(撮影・小海途 良幹)
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 最近の素根―朝比奈戦は釣り手(相手の襟を持つ)勝負という色合いが濃い。素根が左組み、朝比奈が右組みのけんか四つ。朝比奈は上から右の釣り手を持ち、素根の左釣り手を押さえつけてペースを握った。ところが、素根は引き手(袖を持つ)の右を使って朝比奈の右手を押さえ、釣り手の左を上からに持ち替えた。朝比奈は下げられた釣り手を下から突き上げる工夫をしたが、腕を上げることができずに2人の間合いは詰まり、我慢できずに上からに持ち替えたら、逆に間合いを取られるといった素根ペースになった。その中で苦し紛れに技をかけ続けたことで、最後は朝比奈がばてた。

 準決勝、決勝と先に指導を与えられた素根は、組み手の高い技術力に裏打ちされたスタミナで逆転した。我慢の利く戦いぶりは素晴らしい。だが、勝ち上がりを考えれば、試合時間は短い方が有利。背負い投げや大内刈りといった得意技の威力を増す必要がある。

 一方、朝比奈は素根戦5連敗となったが、これは相性の問題だろう。右の払い巻き込み、左の支え釣り込み足の破壊力は素根を上回り、海外の実績も十分。2人がそろって選ばれた今年の世界選手権の結果が、五輪代表選考の大きな材料になると思う。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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