高安、看板の意地 3横綱不在“初Vチャンス場所”で2敗死守

[ 2018年11月20日 05:30 ]

大相撲九州場所9日目   ○高安―嘉風● ( 2018年11月19日    福岡国際センター )

高安は嘉風(左)の顔面を攻める(撮影・岩崎 哲也)
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 大関・高安が優勝争いに食らいついている。平幕・嘉風を立ち合いから攻め、余裕を持ってはたき込み。2敗を守った。3横綱不在の中、看板力士として踏ん張り、悲願の初優勝を目指していく。1敗で単独トップの小結・貴景勝は大関・栃ノ心を圧倒し、勝ち越しを決めた。貴景勝を1差で追う2敗は、高安、平幕の大栄翔、碧山、阿武咲の4人となった。。

 嫌な相手を危なげなく仕留めても、高安は満足していなかった。支度部屋の風呂から上がっても、表情は険しいまま。相撲内容については「前に出て勝ちたかった」と答えただけだった。

 ここまでの対戦成績が10勝10敗の五分で、大関昇進後は1勝2敗だった嘉風との一番。かち上げで相手の上体を起こすと、左喉輪でのけ反らせた。そこから体を開きながらのはたき込み。先手先手と攻めての勝利でも、思い描いていた展開と違ったことに納得がいかなかった。

 ただ勝てばいいとは思っていない。兄弟子の稀勢の里を含む3横綱不在の異常事態の中、大関として内容も求めていきたいという思いが強い。八角理事長(元横綱・北勝海)は「高安は我慢できずに引くのではなく、どうやって勝つのかが大事だ。もっと安定した勝ち方を見つけなければいけない」と、期待しているからこそ苦言を呈した。

 同じく3横綱が休場した名古屋場所は、よく面倒を見ていた御嶽海が初優勝を飾った。その御嶽海には勝ったが、自身は9勝止まり。「刺激を受けたのは間違いない。それをモチベーションにして、優勝に向けて連日やっていくだけ」。そう話していた大関は、内容には不満げながら貴景勝との1差を守った。

 高安は貴景勝との直接対決を控えており、初優勝を自力でもぎ取るチャンスは残っている。優勝争いについては「意識しないわけではないが、一番一番、こなしていこうと思う」と言う。名古屋場所と同じ轍は踏まない。看板力士として終盤まで土俵を締めていく。

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2018年11月20日のニュース