【岡崎真の目】圧巻Vの羽生 昨季よりもうまくまとめられている

[ 2018年11月5日 09:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第3戦フィンランド大会最終日 ( 2018年11月4日    ヘルシンキ )

男子フリーの演技をする羽生(撮影・小海途 良幹)
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 演技の冒頭は少し抑えめに入った感じでスピードがなく、羽生本来の高さと流れのあるジャンプができなかった。4回転ループは少し詰まったような感じで回転不足を取られた。ただ、そこで転倒することもなく、最小限のミスでとどめたのはさすがだった。

 全体を通じて素晴らしいジャンプはたくさんあったのだが、少し前傾したようなジャンプも何回か見られた。恐らく本人の中では100点のジャンプは少なかったに違いない。実際にGOE(出来栄え評価)もマイナスがついている。しかし、以前だったら転倒していてもおかしくないようなジャンプでも、うまくかわして最低限のミスにとどめている。昨季よりも力強さが増したと言うか、枠が広がったと言うか、いい意味で凄くまとめられるようになったという印象を強く受けた。

 まとめると言っても演技が小さくなったわけではなく、攻めるところは果敢に攻めている。4回転ループも跳んでいるし、4回転トーループからトリプルアクセルという新しい試みにも挑んだ。新ルールになってジャンプが1本減ったとはいえ、昨季までの自己ベストを上回ってやろうと思っているに違いない。300点超えは時間の問題だろう。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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