稀勢 遠藤にヒヤリも逆転堅首 悲願初Vへ 平幕に取りこぼさず

[ 2017年1月19日 05:30 ]

大相撲初場所11日目 ( 2017年1月18日    両国国技館 )

<初場所11日目>遠藤を小手投げで破る稀勢の里(上)
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 冷や冷やの内容ながら、大関・稀勢の里が単独トップを守った。先場所の対戦で敗れていた平幕・遠藤の上手出し投げで土俵際まで追い込まれたが、強引な小手投げで勝利。10勝1敗とした。横綱・鶴竜が休場したため、1差で追っている横綱・白鵬と千秋楽の結びの一番で対戦する見通しとなった。平幕の貴ノ岩、蒼国来、逸ノ城も2敗を守った。

 先場所3日目の対戦と同様、稀勢の里が土俵際まで追い込まれた。相撲巧者の遠藤の右からの上手出し投げに横を向く形となって俵に足がかかった。だが左四つに組み止めたことで息を吹き返した。右を抱えながら一気に出て、小手投げでねじ伏せた。

 場内からは悲鳴も上がった白熱の一番。危なかったかと聞かれると「まあ、いろいろありますから」、余裕があったかと問われると「うん、まあね」と表情を崩さずに答えた。

 幾度となく優勝争いを繰り広げてきたが、昨年は平幕に足をすくわれることが多かった。先場所は3横綱に全勝しながら遠藤ら平幕に3敗したことが響いた。名古屋、秋でもそれぞれ平幕に2敗。対戦相手の地位別勝率では、三役(・900)、大関(・867)よりも平幕(・770)の方が下回っていた。苦戦しながらも格下を退けたことで、悲願の賜杯への距離を縮めた。

 優勝争いの最大のライバルである白鵬とは1差で変わらない。壁となって立ちはだかってきた大横綱とはこれまで58度対戦しているが、日馬富士に続いて鶴竜も休場したことで、初めて千秋楽で対戦することが確実となった。千秋楽の結びの一番に日本出身力士が登場するのは11年5月の技量審査場所の魁皇(相手は白鵬)以来、5年8カ月ぶり。2人が勝ち続ければ優勝が懸かる大一番となる。八角理事長(元横綱・北勝海)は「稀勢の里はここまで来たら勝ちに執着することだ。(白鵬と対戦する)千秋楽への挑戦権を得る気持ちでいけばいい」と話した。

 単独トップを守った心境について聞かれた稀勢の里は「今日は今日、明日は明日」とこれまでと同様に気持ちの切り替えを強調した。一日一日、自分の相撲を取り続けた先に悲願が待っている。

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2017年1月19日のニュース