【競歩】“美人すぎるアスリート”岡田久美子 選考会の悔し泣きをうれし涙に

[ 2016年8月1日 10:00 ]

2月の日本選手権、笑顔で優勝テープを切る岡田久美子

 リオデジャネイロ五輪の女子20キロ競歩日本代表の岡田久美子(24=ビックカメラ)が、初の夢舞台での入賞を誓う。不完全燃焼だった選考会のリベンジの場と位置付け、課題と向き合いながら自分を追い込み本番に備えてきた。「万全の状態で臨めそうです。世界最高峰のレベルを体感したい」と、その時を楽しみにしている。

 “美しすぎるアスリート”としても注目を集める岡田。爽やかな表情が印象的だが、陸上競技でも「一番過酷」と言われる競歩を始めたきっかけは高校の陸上部の顧問の一言だった。「フォームがきれい」。競歩なら全日本レベルで通用するのではと顧問の提言をすんなり受け入れ、その半年後には、秋田国体3000メートルで優勝。「この競技なら戦える」と確信したのはその時だった。

 それから9年後、初めて手にした五輪への切符。順調に世界舞台へとたどり着いたように思えるが、決して平たんな道のりではなかった。

 リオ行きを目指して過ごしたこの4年間、スピードの持続性を高めるために1日20キロを歩き、腕をしっかり振れるようにと筋力トレーニングで上半身をいじめ抜いた。しかし、満を持して臨んだ3月の全日本能見大会では五輪派遣設定記録に届かず、悔し涙。1カ月前の日本選手権での疲労が抜け切らなかったことが原因だった。

 選考レースで結果を出せず代表漏れへの不安もよぎったが、日本選手権2連覇という実績、これまでの努力してきた自分を信じ、内定を待ちながら練習を続行。終盤に失速した能見大会での反省を生かし、さらに筋力トレーニングに時間を割いた。

 待ちに待った内定の連絡は突然だった。合宿先で一報を受け、真っ先に母親に連絡。「今まで頑張ってきてよかったね」という言葉に涙が止まらなかった。「母が身近にいる一番の理解者」。競技を始めた頃から、最も頼りにしている存在だ。「いつも私よりも興奮してテンションが高くて。喜んだり、悲しんだり。母を見て逆に冷静になれるというか。いつも元気をもらっています」と感謝する。

 大会直前の北海道千歳での日本代表合宿。スピード練習やフォーム確認など、本番を踏まえ最終調整した。目標を8位入賞に掲げ「手ごたえもあります。万全の状態でレースに臨めそうです」と仕上がりは上々だ。速くてもルールに違反して失格したり、駆け引きがあるのが競歩の魅力。「最後までハラハラドキドキしながら見ていただければ」。南半球に吹くのはどんな風だろう。岡田はまっすぐ前だけを見つめ、リオデジャネイロの風を切る。

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