レブロン6年連続のファイナル進出 快勝のキャブスけん引

[ 2016年5月28日 14:40 ]

自身6年連続のファイナル進出を決めたキャバリアーズのレブロン・ジェームズ(AP)

 NBAは27日にカナダ・トロントで東地区決勝の第6戦を行い、1位キャバリアーズが113―87(前半55―41)で2位ラプターズを下して4勝2敗。今季4戦全敗だったトロントで2年連続3回目のファイナル進出を決めた。

 レブロン・ジェームズ(31)は第1Qに14得点を挙げるなど最初からエンジン全開。41分の出場で33得点11リバウンド6アシストをマークし、ヒート時代を含めて自身6年連続7回目のファイナルに勝ち進んだ。「自分らしさを持ち込むゲームだった。最初からアタック・モードだったよ」と、試合後は今季途中で指揮を執るようになったティロン・ルー監督(39)と抱き合って歓喜。東地区全体で1位にいながら1月22日にデビッド・ブラット監督(57)を解雇したキャバリアーズだったが、アシスタントコーチから内部昇格で指揮官となった新米監督の下でファイナル切符を獲得した。

 ジェームズはプレーオフでは昨季から24試合連続で20得点以上をマークし、30得点以上は今ポストシーズンでは初めて。「コートにもう1人監督がいる」と言わしめたキングと呼ばれる大黒柱は、最後までぶれることなく“オレ流”を貫いた。

 昨季のプレーオフでは1回戦(対セルティクス)で左肩を脱臼してその後の試合を棒に振ったケビン・ラブ(27)も第6戦では4本の3点シュートなどで20得点。12リバウンドも稼ぐなど攻守両面で勝利に貢献した。昨季のファイナル初戦で左の膝蓋骨を骨折したカイリー・アービング(24)も30得点を記録するなどここまでは好調。レギュラーシーズンでビッグ3が全員20得点以上をマークしたのは2回しかなかったが、今ポストシーズンではすでに6回目を数えた。

 対戦相手はサンダーかウォリアーズだがジェームズにとってはどちらもファイナルで対戦済み。ヒート時代の12年には4勝1敗でサンダーを下し、ラブとアービングを欠いた昨年は2勝4敗でウォリアーズに敗れた。すでにファイナル出場は7回目。しかし出場した6回すべてで優勝したマイケル・ジョーダン(ブルズ)と違って、過去6回でトロフィーを手にしたのは2回(12、13年)だけ。それだけに2人のパートナーが万全の状態で臨んでいる今季は王座奪回のチャンスだ。

 人口40万人、周辺地域を含めて208万人を抱えるクリーブランド市民にとっても期待は大きい。同市にはNFLブラウンズ、大リーグ・インディアンズを含めて3つのメジャー・プロスポーツ・チームがあるが、最後に頂点に立ったのは1964年12月27日にNFL選手権(当時はスーパーボウルがない時代)が最後。3チームでのべ160シーズンを消化しながら、51年間にわたってチャンピオンが誕生していない。西地区よりひと足先に地区優勝を決めたことで休養期間も多くなり、今年は「Drought(干ばつ)」と揶揄(やゆ)される空白の期間にピリオドを打つ最大のチャンス。6日2日から始まるファイナルは「オール・クリーブランド」としての戦いにもなるだろう。

 一方、チーム創設21シーズン目で初めて地区決勝まで駒を進めたラプターズは健闘したものの最後は力負け。パブリック・ビューイングでは大勢のファンが声援を送っていたが、その歓声も試合終了が迫るころにはかき消えていた。

 カイル・ラウリー(30)は6本の3点シュートなどで35得点、デマー・デローザン(26)も20得点をマークするなど、球宴出場コンビはチーム総得点の63・2%を2人だけで稼いだが勝利には届かなかった。勝敗が決した第4Q残り2分38秒にはベンチ下がり、試合はまだ続いていたもののキャバリアーズのベンチまで足を運んでジェームズらを祝福。しかしきちんと“礼”を尽くしたあとはさすがに悔しさがこみ上げてきたのか、ラウリーはデローザンに抱かれながら悔し涙を流した。

 今ポストシーズンでラプターズが消化したのは計20試合。1回戦(対ペイサーズ)も地区準決勝(対ヒート)も最終第7戦までもつれこむ接戦で、4月29日からはずっと中1日で試合を続けてきた。レギュラーシーズン82試合を含めて1シーズンで102試合もこなしたのはもちろんチーム最多。優勝は逃したが、その試合数はチームにとっては胸を張れる“プライド”となったはずだ。

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