優作、今季初優勝!「勝負弱い男」返上 後輩・松山に勝った

[ 2015年11月23日 05:30 ]

表彰式で昨年の覇者・松山英樹(左)からウイニングブレザーを着せて貰い握手する宮里優作

男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス最終日

(11月22日 宮崎県宮崎市 フェニックス・カントリークラブ=7027ヤード、パー71)
 単独首位でスタートした宮里優作(35=フリー)が今季初優勝を飾った。4バーディー、2ボギーの69で回り、通算14アンダー、270で昨年4月の東建ホームメイトカップ以来のツアー通算3勝目。賞金ランク2位に浮上した。連覇を狙った東北福祉大ゴルフ部の後輩、松山英樹(23=LEXUS)は2日連続の67で通算12アンダーに伸ばしたが、2打及ばず2位だった。
【最終R成績】

 2打リードで迎えた最終18番パー5。宮里は2オンを狙わずレイアップした。ピンまで65ヤードの3打目はカメラのシャッター音に邪魔されて10メートルもショートしたが、動じなかった。2メートルのウイニングパットを慎重に沈めると、右拳に何度も力を込めて歓喜に浸った。

 「しびれる展開になるとは思っていた。前半ティーショットがままならなくて」。朝、荷物をまとめている時に左手親指に裂傷を負った。止血のためばんそうこうを巻いたが、この1枚で指先のフィーリングが変わった。特にドライバーショットに影響が表れ、4番では林に入れてボギー。このホールの途中でばんそうこうを取ったが、感触はなかなか戻らなかった。

 頼りは好調なパット。時折、手が動かなくなる悪癖を直すため昨季途中から変則的なクローグリップを採用し「狙ったところに出せるようになった」。今月上旬の平和PGM選手権でコーチの父・優さんに「気にせずに(そのまま)いきなさい」と太鼓判を押され今週も自信を持って臨戦。4日間とも合計パット数を20台に収めた。

 アマ時代に数々のタイトルを獲得しながらプロで勝てず「勝負弱い」というレッテルを貼られた。しかし13年最終戦日本シリーズ、昨年開幕戦東建ホームメイトカップに勝って変わった。優勝争いにも「強い気持ちでいけるようになった」。この日、杉沢伸章キャディーと話し「ピンを真っすぐ狙わず球を曲げて攻めよう」と方針を決めた。曲げすぎてのミスもあったが、遊び感覚でプレーできる余裕があった。

 今季獲得賞金は自己最多の9896万1776円となりランク2位に浮上。初の1億円突破が見えてきた。「また勝ちたいという気持ちが凄く湧いている。最後ドタバタで勝ったのが納得いかないんでしょう。もう一回トライしたい」。勝負強くなった男の決意の言葉だ。

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