室伏“2冠”獲りへ!2週間前、陸上日本勢1番乗り

[ 2012年7月21日 06:00 ]

ヒースロー空港に到着した室伏

 陸上男子ハンマー投げの昨年の世界選手権王者、室伏広治(37=ミズノ)が20日、拠点の米国からロンドン入りした。競技(予選8月3日、決勝5日)が始まる2週間前に、陸上日本勢1番乗り。今回は2大会ぶりの金メダル獲得と合わせて、国際オリンピック委員会(IOC)選手委員の初当選を目指しており、選挙活動にも時間を費やす予定。4度目の五輪は“2冠”獲得を狙う。

 拠点の米国から日本に戻らず、直接ロンドン入りした室伏は「いよいよ迫ってきましたね」と笑みを浮かべながら、ヒースロー空港の到着ロビーに現れた。ハンマー投げは、英国の隣国アイルランド発祥と言われている。「不思議な感じですね。相撲でいうと、外国人力士の感覚です。自分の力を出し切りたい」。決意を新たにした様子だ。

 異例の早さでの開催地入りだ。金メダルを獲得した04年アテネ五輪も、4位だった北京五輪も開催地に到着したのは大会期間中で、競技開始3日前だった。今回は2週間の余裕がある。

 「時差調整は10日以上あった方が望ましいし、IOCの選手委員の方(選挙活動)と両方です」とその目的を明かした。まずは日本オリンピック委員会(JOC)が契約する、ロンドンから約150キロ離れたラフバラ大で練習する。ロンドンは7月に入っても気温が20度前後までしか上がらない冷夏のため、「オリンピックスタジアムと同じサークルがある。試技間のウオーミングアップの方法を確認したい」と最終調整を行いながら、寒さ対策も準備。23日に選手村入りする予定だ。

 選手村では日本人の現役選手初のIOC選手委員の当選へ向けて、選挙活動も行う。同委員になることで「オリンピアン(五輪出場選手)が引退後、納得いく人生を送れないということがないように、セカンドキャリアでアドバイスできたらいい」と意気込む。北京五輪時に開票が行われた前回選挙は準備不足のため立候補29人中18番目の得票で落選した。今回はその反省を生かして「休み時間を利用して、選手と積極的に話したい」と投票を呼び掛ける意向だ。

 ハンマー投げの決勝は8月5日。IOC選手委員改選の開票は同9日。4度目の五輪は入念な準備をして、2つの戦いに挑む。

 ▽IOC選手委員 任期は8年でIOC委員を兼任し、五輪開催地決定の投票権などの権限が与えられる。現在20人おり、うち12人が五輪出場選手の投票によって選出される。陸上のフランク・フレデリクス氏(ナミビア)が会長で、競泳のアレクサンドル・ポポフ氏(ロシア)らも委員に名を連ねる。日本人では過去にシンクロナイズドスイミングの小谷実可子氏が務めたことがある。今回改選されるのは4人で21人が立候補。投票は既に始まっており8月8日に締め切られ、同9日に開票され、当選者が発表される。

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