千秋楽相星決戦なるか!日馬、のど輪で全勝グイッ

[ 2012年7月21日 06:00 ]

強烈なのど輪から魁聖(左)を押し倒した日馬富士

大相撲名古屋場所13日目

(7月20日 愛知県体育館)
 名古屋場所連覇が懸かる大関・日馬富士は、平幕・魁聖を右のど輪で一気に押し込み、押し倒しで全勝を守った。白鵬も把瑠都を上手投げで下して同じく全勝をキープ。千秋楽は、白鵬と日馬富士の対戦が組まれることになり、史上初の横綱と大関による千秋楽での全勝相星決戦の可能性も高まってきた。

 わずか2秒4で決着をつけた。平幕で唯一3敗と好調の魁聖との一番。日馬富士は鋭い立ち合いから右のど輪でのけぞらせ、左でたてみつ付近をつかんでグイグイ押し込み、自分より49キロも重い177キロの巨体を土俵下に押し倒した。128キロの小兵大関は舌をぺろりと出し“どや顔”を見せた。

 「良かった。のど輪が入れば一気に押せる。余計なことを考えず、自分の相撲を取った」。西の控えで優勝を争う横綱の全勝を見届けた際も、花道を引き揚げる時も厳しい顔つきだったが、支度部屋では表情を緩ませた。

 横綱と大関が初日から13連勝で並走するのは77年秋場所の北の湖・旭国、04年春場所の朝青龍・千代大海に続き3度目。過去2回は大関に14日目に黒星がつき、横綱が全勝優勝している。“不吉”なデータを報道陣に知らされると「嫌なこと言わないでよ。僕も(全勝優勝したい)ね」と本音をポロリ。3度目の賜杯のチャンスに闘志を高めた。そんな、高まる全勝対決ムードに北の湖理事長(元横綱)も「(14日目の対戦相手)琴欧洲にがっぷり組まれると厳しいが、今の勢いなら全勝でいく可能性はあるね」と期待を寄せた。

 日馬富士には、さらに大きな目標もある。過去2度の綱獲りのチャンスはいずれも失敗したが、「大関の上にはまだもう一つ上のランクがある。僕はそれを夢見て、毎朝起きているわけですから」と前を見据えていた。

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