稀勢の里、幕内300勝!歴代5位のスピード記録

[ 2011年1月14日 06:00 ]

稀勢の里(左)は安美錦を突き落としで破り、幕内通算300勝を飾った

 大相撲初場所5日目は13日、両国国技館で行われ、稀勢の里は安美錦を突き落としで破り、24歳6カ月の歴代5位の年少記録で幕内通算300勝を達成した。白鵬は嘉風をはたき込んで5連勝。カド番大関の日馬富士は栃煌山に敗れ初日からの連勝は4でストップ。これで全勝は横綱と平幕の若の里、栃乃洋の3人となった。

【取組結果


 “くせ者”安美錦の揺さぶりにも動じなかった。稀勢の里は、仕切り線の左寄りで構える相手の動きを見て「こういう時こそ怖がらず思い切って行くべき。前に出るしかない」と腹を決めた。

 安美錦が右差しを狙ってきたところを左からのおっつけで封じ、右手は肩に押し当てた。まわしにこだわらずぐいぐい前に出て土俵際に押し込むと最後は左から突き落とし。攻めの相撲を貫いての勝利に支度部屋では自然に顔がほころんだ。

 「足が自然に前へ出ていた。精神的に強くなった?そうなってはいないと思うけど(上位で)長くやってるから。(今場所は)完全燃焼したいね」

 本人は謙遜するが、周囲は明らかな意識の変化を証言する。親交があるJRAの小桧山悟調教師(56)は「21、22歳の頃は全く聞かなかった言葉だけど。去年秋場所後に“大関になりたい”と言っていた。それが最近は“大関になります”と言う。この違いは大きい。本人も手応えを感じているんじゃないか」。以前は憧れの地位だった大関が、今では確実につかまなければならない目標に変わった。

 04年九州場所の新入幕から積み上げた白星はこれで300の大台に到達した。24歳6カ月での達成は歴代5位の年少記録。過去に25歳未満で達成したのは横綱だけで、大鵬、貴乃花ら昭和、平成を代表する名横綱ばかり。そうそうたる顔ぶれに加わった稀勢の里には、偉大な先達に続く活躍が期待される。

 ▽稀勢の里の年少記録 十両昇進は17歳9カ月で、昭和以降では貴花田(後の貴乃花、17歳2カ月)に次ぐ歴代2位の年少昇進。18歳4カ月の入幕も貴花田の18歳7カ月に次ぐ歴代2位。三役は歴代4位

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2011年1月14日のニュース