さすがエース平野！元中国代表も舌巻いた

女子シングルスで３連覇を果たした平野早矢香

　【全日本卓球】最終ゲーム、１―６のピンチをはね返し、１時間１８分の激戦を精神力の強さで粘り勝った。女子シングルス決勝。２３歳の平野は元中国代表のカットマン、王輝の返球がネットに掛かると、両手で顔を覆って５度目の日本一に浸った。

　小山ちれの８度、星野美香の７度に次ぎ、優勝回数は歴代３位タイ。「一度も勝ったことがない相手だったし、我慢比べで勝つしかないと思っていた。（優勝して）世界選手権代表を取りたかったのですごくうれしい」と笑みを浮かべた。
　福原らは王輝の変化に富んだカットを打ち急いだが、平野は強打をしないでバックにボールを集める作戦を徹底。１ゲームも落とさずに勝ち上がった３０歳のリズムを乱し、世界選手権団体戦優勝も経験しているベテランに「あそこまで日本人と試合したのは初めて」と言わしめた。
　昨夏の北京五輪では世界の壁にはね返された。「どうすればメダルを取れるか試行錯誤で練習してきたけれど、世界で活躍してきた選手に勝てたことはすごく意味がある。これから自信を持って臨める」。進化を続ける日本のエースは、世界選手権に手応えをにじませた。