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ピッチ内外の重圧をイランのエース・タレミはねのけ初の決勝T導く

[ 2022年11月29日 05:05 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

初の決勝トーナメント進出が期待されるイランのタレミ(AP)
Photo By AP

 【Today's CHECK B組】1次リーグB組第2戦を終えて勝ち点3で2位につけるイラン。6度目の出場で初の決勝トーナメント進出が懸かる第3戦の米国戦で、攻撃陣をけん引するのが好調のFWメヘディ・タレミ(30=ポルト)だ。

 イングランドに2―6と大敗した第1戦でイラン人選手として初めてW杯で1試合2ゴールを挙げて気を吐くと、第2戦のウェールズ戦では終了間際にドリブル突破から2点目をアシスト。W杯で初めて欧州勢を破る歴史的勝利に貢献した。

 1メートル85の屈強なフィジカルと鋭い得点感覚を誇るセンターFWは、韓国代表FW孫興民(ソンフンミン)(トットナム)とともに現在、欧州で最も活躍するアジア人選手だ。19年に加入したポルトガル1部リオアベで18ゴールを挙げて欧州挑戦1季目でリーグ得点王を獲得。翌年引き抜かれた同ポルトでも公式戦115試合で62得点と名門のエースとして君臨している。今季の欧州CLでは5試合5得点を挙げており、その好調ぶりをW杯でも発揮している。

 今大会のイランはプレー以外でも大きな注目を集めた。イングランド戦前に選手らは国歌を斉唱せず、イランの体制に抗議して国内で広がるデモに連帯を示した。24日の会見でタレミは「代表チームに対し、圧力はない」と語っていたが、翌日のウェールズ戦では一転して斉唱した。代表チームは体制派と反体制派の板挟みになっている上に、米国はイランが長年敵対する因縁の相手。ピッチ内外でさまざまな重圧がかかる大一番で、エースの本領が試されることになる。

 ◇メヘディ・タレミ 1992年7月18日生まれ、イラン出身の30歳。14~18年にプレーしたイラン1部の強豪ペルセポリスで2度得点王。カタール1部アルガラファを経て19年にポルトガル1部リオアベに加入し、20年からポルトガルの3強の一角を占める強豪ポルトで2季連続のチーム得点王。国際Aマッチ63試合30得点。1メートル85、80キロ。利き足は右。

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2022年11月29日のニュース