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チーム崩壊危機乗り越え初代WEリーグ女王に輝いたINAC神戸 ターニングポイントはXmasの敗戦

[ 2022年5月9日 05:30 ]

WEリーグ第20節   INAC神戸3-0ノジマ相模原 ( 2022年5月8日    相模原ギオンスタジアム )

<ノジマ相模原・INAC神戸>優勝を喜ぶINAC神戸イレブン(撮影・西海健太郎)
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 シーズン前に掲げた「初代WEリーグ女王」を成し遂げたINAC神戸だが、道のりは平坦ではなかった。なでしこリーグ3連覇を果たした13年シーズンを最後に、三菱重工浦和や日テレ東京Vの後じんを拝し続けた。澤穂希や川澄奈穂美らが所属した黄金時代とは違って苦しみ、今冬には中心選手のMF杉田妃和も海外移籍。昨年12月25日には皇后杯で日テレ東京Vのアカデミーにあたる日テレ東京Vメニーナに敗れたが、その前後では選手間での意見衝突が起こるなど崩壊寸前状態だった。

 しかし、その負けは“クリスマスプレゼント”だった。星川監督は「皇后杯の負けがポイントになったのは間違いない」と振り返る。リーグ再開戦となった3月5日のEL埼玉戦までにチームミーティングを何度も開催。クラブはスポンサー料やグッズ収益の正確な数字を選手たちに開示した。周囲の支えがあってこその“プロ”だという認識や自覚につながった。DF三宅やFW高瀬らがリーダーシップを強め、より強固な組織へと変貌を遂げた。

 9年ぶりに古巣に復帰した星川監督の“ブラッシュアップ”された指導も大きかった。12年の退任後はスロベニアやラトビアの男子チームでコーチや監督を歴任。「複数の国の選手がいて、コミュニケーションや食生活、宗教の違いもある。サッカー以外での勉強が多く、今のマネジメントにつながっている」。型にハメるのではなく、個々に合わせたアプローチを習得。またデータの少ない選手たちを練習で見極め、過去の実績にとらわれない柔軟な起用法もできるようになった。それがMF伊藤やMF阪口のポジション変更につながり、杉田不在をカバーする力になった。

 監督、選手、クラブ…。それぞれの思いが結実し、「初代女王」の称号を手に入れた。

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2022年5月9日のニュース