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狙え!史上初の4年連続20得点超え 京都・ウタカは年俸1億円近いオファー蹴って残留した人情派

[ 2022年2月18日 05:30 ]

京都・ウタカ
Photo By スポニチ

 18日の川崎F―FC東京で、30年目を迎えるJリーグが開幕する。12年ぶりに昇格した京都の躍進を支えるのは、J2で3年連続20得点のFWピーター・ウタカ(38)。Jの歴史に名を刻む偉業も狙える怪物ストライカーをピックアップした。

 ウタカにとってJ1はFC東京に在籍した17年以来、5年ぶりの待ち望んだ舞台だ。昨年J2で21得点。大黒柱として12年ぶりJ1昇格に貢献し、チョウ貴裁(チョウキジェ)監督も「サッカーIQや戦術理解度が高く、周りも生かせるプレーができる。戦術の中で重要なピース」と絶大な信頼を置く。

 分岐点になったのはJ2で22得点を決め、得点王になった20年オフだった。J2町田から年俸1億円近いオファーが届いた。だが、破格の申し出に応じることはなかった。なぜか――。個人的には輝いた年でも、チームは8位。J1昇格を成し遂げられなかった悔しさしか残らなかった。チョウ貴裁監督の招へいや、山道守彦強化部長(現J3岐阜チーム統括本部長)を中心とした積極的な補強を行うクラブの本気度も感じ取った。金額よりも大事なものがあったからだと、関係者は心中を明かした。

 そんな人情味あふれる怪物ストライカーの得点嗅覚は年齢を重ねても衰えない。シュートコースをつくるプレー、ゴールが奪えるスペースへの走り込み、そして一瞬の隙を突く抜け目なさ。同時に、20年オフには得点王になった自身へのご褒美として「プールやジムが付いている大きな家を買った」と笑い飛ばしたように、豪快さも持ち合わせる。

 19年のJ2甲府時代から3年連続で20得点以上。今季J1でも達成すればJでは史上初の4年連続20得点超えとなる。指揮官がJ1定着への土台をつくるシーズンと位置付ける今季。最低限のノルマは、J1残留となる。その第一ミッションをクリアするためにも、大エースの奮闘は欠かせない。(飯間 健)

 【ウタカが今季狙える記録】
 ☆10得点 38歳シーズンに2桁得点達成なら、ともに神戸の14年FWマルキーニョスと19年FWビジャに並びJ1最年長。
 ☆14得点 J1通算50得点に到達。J1とJ2で50得点はチームメートのFW大前らに次いで8人目。
 ☆20得点 Jリーグで4年連続20得点なら史上初。3年はウタカ以外にJ1だけで達成した01~03年名古屋FWウェズレイがいる。
 ☆得点王 38歳シーズンで得点王なら93年横浜MのFWディアスの34歳を抜き最年長。16年広島でも獲得しており、2チームで得点王なら史上初。

 ◇ピーター・ウタカ 1984年2月12日生まれ、ナイジェリア出身の38歳。ベルギーや中国で実績を重ね15年に清水入団。広島、FC東京、J2徳島などでもプレーし、広島在籍時の16年にJ1得点王、20年に京都でJ2得点王。J1通算86試合36得点、J2通算138試合69得点。ナイジェリア代表として国際Aマッチ通算9試合3得点。1メートル78、79キロ。

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2022年2月18日のニュース