×

【中田浩二氏 ベルギー主力分析】不要ファウルは命取り…カラスコの裏から崩せ!

[ 2018年7月1日 10:44 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   日本―ベルギー ( 2018年7月2日    ロストフナドヌー )

ベルギー代表の(左から)ルカク、デブルイネ、クルトワ、フェライニ、メルテンス、E・アザール
Photo By ゲッティ イメージズ

 決勝トーナメント1回戦で対戦する世界屈指のスター軍団・ベルギーはどんなチームで、鍵を握る選手は誰か。そして、日本はどう攻略すべきなのか。スポニチ本紙評論家の中田浩二さん(元日本代表DF)が主力選手を徹底分析し、勝つための提言を行った。

 ルカクは3―4―2―1の1トップで、1メートル90、94キロと体が大きい上にスピードもある。パワーがあって空中戦も強く、シュートの技術もある。クロスに合わせるだけでなく、距離があるところからもシュートを決められる、世界でもトップクラスのストライカーだ。パスに対する動きだしもうまく、守備側が警戒して守備ラインを下げるとゴール近くで仕事をされる。簡単には止められないので吉田と昌子で挟み、マークする必要があるだろう。

 体は大きくないが、テクニックが抜群のE・アザール。ゴール前に守備側の選手が密集していても、ドリブルで仕掛けてくる。シュートもうまく、決定力があるのでマークには神経を使う。まずはスペースを与えないこと。日本は全体的に陣形をコンパクトに保ち、E・アザールが持ち味を発揮できないようにすることが重要だ。

 ボランチの位置で攻守のつなぎ役をするデブルイネ。パスワークがうまく、ボールを奪って前線のルカクやE・アザールへの縦パスも出して攻撃のスイッチを入れる。運動量も豊富で技術もあり、戦術理解力も高い。元々はもう少し前の位置の選手だけに、決定力もある。マンチェスターCのプレミアリーグVの立役者で、中盤としては世界トップクラス。香川と長谷部がマークの受け渡しをする必要がある。セットプレーも精度が高く、不用意なFKは与えないことだ。

 ベルギーは3バックなので、両ウイングバックの裏にできるスペースを使えれば日本はチャンスができる。日本の右サイド・原口とマッチアップするカラスコは元々、攻撃の選手で、守備は得意ではない。そこをスピードで攻めたい。原口が前に出ればカラスコは押し戻され、攻撃できなくなる。センターバックもカバーに行くので、中央部を守る選手が減る。そこに大迫や香川が入れば決定機につながる。日本の左サイド・乾もマッチアップするムニエに対して得意のドリブルで突破していけばチャンスをつくることができると思う。

続きを表示

2018年7月1日のニュース