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メッシ消えた…フランスに3―4逆転負け“最後のW杯”の夢散

[ 2018年7月1日 05:30 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   アルゼンチン3―4フランス ( 2018年6月30日    カザン )

<フランス・アルゼンチン>後半、ゴールを決められず悔しがるアルゼンチンのメッシ(AP)
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 決勝トーナメントが30日にスタート。前回大会準優勝のアルゼンチンはフランスに3―4で敗れ、4大会連続の準々決勝進出はならなかった。FWリオネル・メッシ(31=バルセロナ)は2アシストをマークしたが、自身は不発。フランスは19歳のFWキリアン・エムバペ(パリSG)の2ゴールなどで、壮絶な打ち合いを制し2大会連続の8強入り。6日に準々決勝を戦う。

 メッシのW杯が終わった。アルゼンチン代表での初タイトルにまた手が届かず、ピッチにぼう然と立ち尽くした。「フランスは強い。技術が高く、スピードのある選手が違いを生む」と警戒していた相手に完敗。19歳のスピードスター、エムバペと12歳差の10番対決で完全に明暗が分かれ世代交代を印象づけた。

 見せ場は2アシストだけだった。1―1で迎えた後半3分。FKのこぼれ球からメッシが、この試合初めてのシュート。メルカドがコースを変えて一時勝ち越しゴールとなったが、ここから悪夢の3連続失点が待っていた。終了間際にロングパスから盟友アグエロの得点を演出。同代表のW杯1試合2アシストは、86年大会のマラドーナ以来だったが、1点及ばなかった。

 “最後のW杯”に懸ける思いは誰よりも強かった。06年ドイツ大会、18歳357日で衝撃のデビュー弾を決めてから12年。6月24日に31歳になった。08年北京五輪を制したアグエロ、ディマリア、マスケラーノらと“メッシ世代”について「このメンバーで戦えるのは最後になるだろう。今回優勝できるか、もうできないかのどちらかだ」と決意を語っていたが、出た答えは残酷な後者。マスケラーノは試合直後に代表引退を表明した。

 W杯4大会目はわずか1得点で終戦。4大会、通算19試合でわずか6得点(1試合平均0・32)。決勝トーナメントでは1点も取れなかった。所属クラブのバルセロナでは公式戦637試合で552得点(1試合平均0・87)とゴールを量産し、最多5度のバロンドール(世界最優秀選手賞)を獲得してきた世界一の男が、代表では世界一にはなれなかった。22年W杯カタール大会は35歳。代表引退か、続行か。アルゼンチンが生んだ天才が今大会後に下す決断に、世界の注目が集まりそうだ。

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